全国大会めざして、全国の仲間たちは日夜、頑張っています。長年、生活と健康を守る会活動に協力していただいている山梨県立大学教授の下村幸仁さんから、メッセージをいただきました。
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私と「生健会」との出会いは、広島市で生活保護ケースワーカーとして、また広島市職労の福祉評議会議長として、日(くさ)下(か)健二さん(当時、広島県連事務局長)と、生活保護の民主化の活動に取り組んだことに始まります。
貧困の現実を見て立ち上がる
何件もの審査請求を行ったことや、広島高裁で勝利した生活保護・石崎裁判は今も鮮明に記憶に残っています。その後、会津短大に移り、学生たちと路上生活者の支援活動を始め、福島県連の弦(つる)弓(ゆみ)高(たか)明(はる)事務局長を訪ね、生健会の協力を得ることになりました。
100人が路上から居宅生活へ
路上生活支援の夜回り活動に学生と一緒に参加されると、生健会は、路上生活者を生み出す貧困の現実を理解し、支援することの重要性に気付いてくれました。その支援活動も今年7月に5周年をむかえました。
生活保護を活用して、これまで100人を路上から居(きょ)宅(たく)へ移行させています。
福島市での支援の特徴は、(1)学生と元路上生活者を含む生健会が共同して支援に取り組んでいること、(2)元路上生活者の多くが別の週に生健会として夜回りと昼回りをしていることです。現在、国の「ホームレス支援」は、ますます就労支援に偏(へん)重(ちょう)し、生活保護をすぐに適用しない方向に流れています。
しかし福島市では、地域での孤立を防ぐために、生健会が班活動を大事にし、清掃ボランティアや交通安全活動、公営住宅での高齢者や病弱者のためのボランティアなど、地域貢(こう)献(けん)を行っていることに敬意を表します。
生健会との出会い 人間の尊厳取り戻す
それは路上生活者の一人ひとりに粘り強く寄りそい、居宅移行への支援に取り組んでいるからこそだと思います。
福祉行政に一度は助けを求めたにもかかわらず、信頼の道を断たれた人が、生活と健康を守る会との出会いにより人間の尊(そん)厳(げん)を取り戻し、草の根民主主義の活動に身を投じています。
全生連・生活と健康を守る会が貧困にあえぐ多くの人の身近な存在として生存権・社会保障を大事にする活動として発展されることを願っています。
(2010年9月5日号「守る新聞」) |