第56回日本母親大会が8月28、29日に福島市で行われました。自公政権から民主党を中心とする政権に交代してから初めての日本母親大会です。全体会では、記念講演や全国のたたかいの交流が行われ、分科会では、女性問題や平和、生存権、母親運動など41のテーマで分科会が行われました。30度を越す猛暑の中、全国からのべ1万3300人が参加し、会場は熱気に包まれました。
開会では、福島県伊達(だて)地方の伝統芸能である霊山(りょうぜん)太鼓が披露されました。
来賓のあいさつで国見町(くにみちょう)の革新町長である佐藤力(つとむ)町長が、「おいしいものがたくさんある福島にようこそ」と参加者を温かく歓迎しました。
戦争しないことで福祉が強くなった
東北大学名誉教授の日野秀逸(しゅういつ)さんの記念講演では、女性の平和と健康の問題について話されました。
戦争が女性を苦しめてきた問題では、勤労動員や貧弱な食料事情の中で、国のために多くの子どもを生むことを強いられ、生んだ命を危険にさらした歴史があったこと。それらは、当時の国・厚生省の方針だったことが話されました。
スウェーデンの福祉事情について、1814年から戦争をしておらず、戦争をしないことが高度な福祉国家、自由選択社会を形成したと解明されました。育児休暇の充実や税金は高い反面、還付(かんぷ)などで戻る分が多いこと、国民が政治に対して高い関心を持っていることを挙げられました。
老齢加算の戦いに大きな連帯の拍手
「今日の運動」では、全国各地からの日々の運動について報告。
青森県の黒石生活と健康を守る会の工藤禎子(ていこ)さん(55)は、生活保護の母子加算と老齢加算復活への闘いについて報告し、「全国のみなさんのおかげで母子加算が復活を勝ち取ることができました」と発言すると大きな拍手が起きました。
老齢加算の生存権裁判では、全国で原告が10人以上亡くなり、6月に勝訴した福岡高裁判決に対して北九州市が最高裁へ上告したことを述べ、復活への支援を訴えました。
大会の最後は、色とりどりのうちわなどでエール交換し、次期開催地である、広島県が紹介されました。
初めて参加した、福島市の和田広子さん(68)は、「参加者全体の思いが一つになっていてよかった」、埼玉県から参加した千田眞美子(せんだまみこ)さん(61)は「人間らしい暮らしを求めてたたかっている人をみて元気になった」と話されました。
今回は、若い世代の参加者が目立ち、生命を守る運動が次の世代へつながる大会になりました。
(2010年9月12日号「守る新聞」) |