東京・荒川生活と健康を守る会は、都営住宅の会員の要求を次つぎに取り上げ、実現してきましたが、7年前に出した「玄関のドアノブをレバー式にして」の要求が、今春から全都で実施されることになりました。
東京の荒川区の南千住2丁目住宅の2階集会室には、10月3日、会員外の方を含めて18人の仲間が集まりました。
●レバー式を見て私もつけたいと
「ドアの回転ノブをレバーにしてもらって本当に良かった。ドアの開(あ)け閉(し)めが楽になったわ。レバー式ドアを見て同じ階の方だけでなく、別の階の方もきて『自分もつけたい』と言っていましたよ」(茂垣(もがき)満里子さん・75歳)、「さっと軽く押して開けられて助かるわ。荷物が多い時なんか全然ラクよ」(杉浦早苗さん・74歳)、「膝が痛くて、ドアの開け閉めに難儀していたけど、これで助かったわ」(松井宏子さん・67歳)、「そのうちレバーが付くのかと思っていたら、すぐに付いてびっくりしたわ」(平田かおるさん・85歳)など、喜びの声が次つぎに出されました。
●粘り強い交渉で「私の要求」実現
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(写真)(上)開閉が重いドア回転ノブ(下)開け閉めが楽なレバー式ドアノブ |
「このドアノブのレバー式ヘの運動は、7年前(03年)、関根政子さん(70)と高梨恒夫さん(64)のお2人が、共に1級障害者で玄開ドアの開閉(かいへい)が大変で苦しい思いをしていたので、『ドア回転ノブをレバー式にして』という“私の要求”出したのが始まりでした」と言うのは六車(むぐるま)光春事務局次長。
2人は、班の仲間と署名を出したり、実際のドアの写真を当局に見せて交渉し、翌年(04年)“人道的な特例措置”で、レバー式ノブに改善されました。
●41人の会員がレバー式ノブに
都生連は、毎年の対都交渉で要求し、4月からレバー式が全都の制度(「住宅設備改善工事」のメニューに)になりました。
角光男(かく みつお)会長は「荒川の『守る会』では、4月から、都営住宅の各班が中心になり、レバー式ノブの宣伝ビラを全戸配布し、相談会を開いて、申請運動に取り組んできました。現在、41人の方が、レバー式になって、みんなから喜ばれています」と言います。
本多義尚副会長は「私たちは、団地住民のさまざまな願い―家賃の減免やエレベーターの補修、段差の解消、トイレの改修・取り替え、風呂の改善などを取り上げ、粘り強く交渉して要求を実現してきました。『守る会』は住民が安心して暮らせる団地をめざして、がんばっていきます」と力強く話してくれました。
(2010年10月17日号「守る新聞」)
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