北海道・後志(しりべし)小樽(おたる)生活と健康を守る会は10月30日、小樽市内で税運動学習会を行い、51人が参加しました。学習会では、全生連の税運動の意義や生活保護基準と課税最低基準の引き上げは連動していることが話され、税の自主申告は、義務ではなく権利であり、これらのことが制度要求の出発点であることが話されました。
小樽市は人口が約13万人の都市です。最近では、人口の減少が続いています。
歴史的な建造物が多く現存していることから、日本有数の観光都市として人気が高く、1年を通して全国から観光客が多く来ます。
小樽市では、38億円あった国民健康保険の赤字を国保料を値上げをすることによってゼロにしましたが、この値上げによって多くの市民を苦しめました。
生保基準と課税基準は密接に連動している
税運動学習会では、平野安都子事務局長が開会のあいさつで、「生活保護基準引き上げと課税最低基準の引き上げを車の両輪にして行動しよう」と訴えました。北海道議会の花岡ユリ子議員も激励に駆けつけました。
今回の学習会は、佐藤勤会長を講師にして3つのテーマに分けて行われ、最初は、「全生連運動と税運動の意義について」です。
佐藤会長は、「全生連運動は、生活保護などの社会保障の運動をすすめるだけでなく、国民の生存権、最低生活水準を引き上げる運動だ」と話されました。
「生活保護の最低基準と課税最低基準の引き上げ」では、片方が上がればいいのではないかと一般的に言われていることについて、「保護基準を引き上げるには課税最低基準が壁になる。課税最低基準も引き上げなくてはならない」と密接に連動していることを指摘しました。
税運動については、「税金は国や地方自治体に取られるものではなくて、自分自身で申告して支払うものである」と税の自主計算・自主申告の意義を話され、税運動は「制度要求の出発点」であると強調しました。
学習会などを通じて実務援助者養成が大切
次に、今年度の税制の特徴や、国がどのようなことを行おうとしているかについて説明がありました。
子ども手当や高校授業料無償化されたことにより中学生までの扶養控除の廃止、特定扶養控除が縮小されたことや、「消費税は社会福祉のための税と声高(こわだか)に叫ばれながら実際は法人税の減収分へ回っている」と話されました。
今後の課題については、税金の自主計算ができるように各班や地域で税学習を取り組むことや、その中で国の社会保障を学ぶこと。これらを年内に取り組み、税申告をできるようにするために実務援助者を養成していくことを呼びかけられました。
初めて参加した野宮克明さん(43)は、「子どもが2人いる。子ども手当をもらい、『バンザイ』とはいかないと思った」、永原正義さん(75)は、「難しいことはあるが、学習会などを通じて覚えていきたい」と話されました。
(2010年11月21日号「守る新聞」) |