12月2日、「軍事費を削って、くらしと福祉・教育の充実を」国民大運動実行委員会の2011年度予算案への財務大臣要請が行われました。全生連は辻清二事務局長が野田佳彦(よしひこ)財務大臣に直接、要請しました。大企業が膨(ぼう)大な利益を上げる一方、年収200万円以下のワーキングプア(働く貧困層)が増えている現状のなかで、「2011年度予算は、社会保障を中心に国民生活を守るために使うべき」と、全労連、全商連、農民連、新日本婦人の会、全日本民医連の代表もそれぞれの分野で、緊急の要求を訴えました。
全生連の辻清二事務局長は実態・実例集を示して、復活した生活保護の母子加算同様に「老齢加算も復活を」と強く要請しました。
就学援助では、「今年4月からクラブ活動費、生徒会費、PTA会費の3項目が支給されるようになったが、生活保護を受けていない準要保護世帯には財源措置はされていても、ほとんどの自治体で実施されていない。法律にもとづく制度であり、自治体が実施しないのは違法。国庫補助を増額し確実に実施してほしい」訴えました。野田大臣は「(未実施を)確認する」と回答しました。
優先度を判定
政府は、小学校の少人数学級や高校生への給付型奨学金、医療・介護サービスの基盤強化などの予算を「特別枠」として、「政策コンテスト」で審査して優先度を決めています。
「小学校の30人学級は『政策コンテスト』でCランクの判定。予算がつくのか不安」「国民生活を守る予算は、特別枠で仕分けず、ただちに実現すべきだ」と要求しました。
財源を確保して
野田大臣は「要請は受けとめ、子ども手当や農家の所得補償など直接、家庭にお金が入る流れは財源を確保しながらやっていく。時代に合わない予算の見直しは、各省にお願いしている」と述べましたが、国民に温かい予算実現へ努力する姿勢は見えませんでした。
就学援助の新「3項目」
新学習指導要領で部(クラブ)活動も「教育活動の一環(いっかん)」と位置づけられ、また、生徒会費、PTA会費は生活保護で教育扶助(ふじょ)の対象になっていることから、上表の3項目が支給項目に加わりました。今年4月から実施されています。
(2010年12月19日号「守る新聞」) |