東京・北区生活と健康を守る会は1月9日、岸町ふれあい館で24人が参加して税金学習会を開きました。午前中は全生連発行のパンフレット『税金のはなし』を使って、税金の流れや情勢の特徴などの学習。午後からは、『給与・年金自主計算ノート』や独自の『税金実務問題集』を使って、計算のし方を学びました。
午前中は富沢貞子副会長(70)が講師で、最初に「税金は国や自治体の財源を集める役割(徴収)と、金持ちと低所得者の所得を社会保障などで調整する(再分配)の2つの役割がある」「大企業や大金持ちはその所得にふさわしい税金を払い、所得の少ない人は生活費に食い込まない税金にすることが大事」と話しました。税の徴収のし方は所得税・住民税などの直接税と、消費税・タバコ税などの間接税があると事例を示しながら話をしました。また、税金(所得)が各種減免制度を利用する基準になっていることを、表を使って説明しました。
都営住宅より広い米軍の居間
むだな税金の使われ方では、「1年間に5兆円の軍事費にメスを入れることが大切」と、在日米軍がいるだけで、7146億円の税金が使われていることを指摘。税パンフにのっている在日米軍基地の司令官用住宅の居間(54平方メートル)が、会員が住む都営住宅の全床面積より広いことなどを、わかりやすく説明しました。
西村秀男さん(70)は「本当に腹がたつことばかり。政府は法人税を安くし、取りやすい国民から取ろうとしている。介護保険料のことでも、年金から天引きされ、個人の金を国が優先的にとるとはひどい。『守る会』もたたかっていくべきだ」と怒りの発言。
永井昭武(あきたけ)会長(78)は「諸外国では、税金が上がるとなると国民世論が騒ぐが、日本はおとなしすぎる。でも街頭での消費税署名がふだんは50筆ぐらいなのが、最近、90筆取れた」と話しました。
親を障害者控除つけられる
午後は、山本泉事務局長(57)が、収入と所得の違いや、控除の説明などをして、確定申告用紙に例題に沿って書き込みをしました。解答合わせをした後、さらにむずかしい例題に挑戦し、お互いに教え合い、学びました。
高齢の親を介護している新穂利已(にいほとしみ)さん(57)と藤本ヒロ子さん(70)は、役所から障害者控除対象者認定書をもらえば、特別障害者としての控除ができることを学びました。「母が82歳で介護保険の要介護5です。さっそく役所に行ってきます」と新穂さん。藤本さんも「うちは要介護4です。学習会に参加して本当によかった」と話していました。
富沢副会長は、「ぜひ、みなさんが実務援助者となって、支部や班で春の税の運動を広げていきましょう」と訴えました。
(2011年1月30日号「守る新聞」)
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