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豪雪でくらしも我慢も“もう限界” 行政のきめ細かな援助がほしい

 消防庁がまとめた2月14日現在の大雪の被害状況は、全国で亡くなった人が122人にのぼり、重軽傷者は1383人、屋根の雪下ろし作業で亡くなった人が最も多く、年齢では65歳以上が79人で65%となっています。新潟県魚沼市と青森市から豪雪の実態が届きました。

新潟県魚沼市
除雪への公的な助成
家のまわりは対象外

 積雪(せきせつ)が4メートルを超えた魚沼市長鳥(ながとり)地域(旧守門(すもん)村)に住む小野沢もと子さん(66)は、夫を亡くし一人暮らし。8万円程度の年金で生計を立てています。
 長鳥地域の家は屋根に大きく傾斜(けいしゃ)をつけ、降った雪が滑(すべ)り落ちるようにしてあります。落ちた雪が屋根まで届くと、落ち場を失って積もった雪の重さで家が押し潰(つぶ)されるため、家のまわりの雪を機械で遠くに吹き飛ばさなければなりません。小野沢さんの場合は、幸い隣人(75)が機械で吹き飛ばしてくれます。「お金はいらないよ」と言われますが、一冬(ひとふゆ)に7万円程度渡しています。しかし、高齢のため「来年からはできないよ」と言われています。
 魚沼市による公的な助成は玄関から道路までの除雪で、家のまわりは対象外。1回30分で40回、利用者負担は1回140円です。
 1月27日、魚沼市は豪雪による災害救助法適用を受け、国と県が除雪費を補助することになりましたが、小野沢さんは自己負担金10回分、わずか1400円を助成されるだけ。
 この地域では、冬期は多くの高齢者が子どものところへ「疎開(そかい)」します。買い物は、生協や農協、介護保険の買い物ヘルパーなどが頼り。公共交通機関はなく、豪雪時期の買い物や外出は困難で、暮らせないのです。
 災害救助法による市町村への手厚い支援とともに、必要な世帯へのきめ細かな援助が切に望まれています。
(吉田松雄通信員)

青森市
「雪で玄関が埋まった」
SOSの電話で応援に

 青森市の積雪量は1月23日に今冬最高の1・3メートルを記録、1月の降雪量は6年ぶりに3メートルを超えました。雪の降らない日は5日で、氷点下の連続でした。
 通院や買い物、雪かきの際に転倒し、骨折や捻挫(ねんざ)をした会員も多く、入院した人もいます。雪で道路が狭くなって救急車が入れず、患者の搬送(はんそう)時間が夏の倍かかるなど、まさに命に関わる事態です。
 高齢の会員は、「ひざが悪いので歩くだけでも大変」「疲れた。もう限界」「買い物に行けず、缶詰やカップ麺ばかり食べている」「1日数本のバスや電車が止まるので、タクシー代がかかる」「寒くて灯油代が大変」など、深刻です。
 西村みつさん(83)から「家から出られない」と連絡を受け、青森生活と健康を守る会の役員2人が行ってみました。家の左手の通路が屋根から落ちた70センチほどの氷状の雪で塞(ふさ)がれています。通路よりも80センチほど低くなった玄関は、風除室(かぜよけしつ)のドアが外(はず)れ雪で埋まっていました。玄関脇の窓も全て埋まっています。2人で左手側をなだらかなスロープ状にし、玄関前は階段を作って窓も半分ほど光が入る高さまで除雪しました。
 「以前は市の相談窓口に電話すれば、小型の除雪機で通路を作ってくれた。今年は3回電話しても対応してくれない」と、西村さん。雪の被害が多く、必要な市民に援助の手が届いていないことがわかりました。
(神 江美・成田あさ子両通信員)

(2011年2月27日号「守る新聞」)

 
   
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