3月11日、東北の三陸沖を震源とするマグニチュード9・0の巨大地震が東北・関東の太平洋沿岸を襲(おそ)いました。地震や津波の被害に加え、東京電力福島第1原子力発電所(福島県大熊町・双葉町)で爆発が次々と起き、放射能汚染の不安も広がっています。青森、岩手、宮城、福島の各組織は、会員・読者の安否確認や救援活動を続けています。
2・7メートルの津波に襲われた青森県八戸(はちのへ)市では100棟の家屋が全壊。八戸生活と健康を守る会の会員に大きな被害はなく、アパートが床上浸水した人が1人、近くの会員宅に身を寄せています。
いま一番大変なのはガソリン・灯油を始め、食料や生活物資が手に入らないこと。3月14日に急きょ役員会を開き、まず、きちんと会員の現状や要求をつかみ、本人も一緒に市役所へ行って実態を訴え、交渉を持っていこうと決めました。
ガソリン不足の中 会員・読者訪問
盛岡市の岩手県生活と健康を守る会連合会の事務所は無事でしたが、岩手日報の写真を見ると大船渡(おおふなと)の「会」の事務所のあたりは瓦礫(がれき)の山、陸前高田の「会」の事務所があるはずのところは海でした。16日にはようやく電話がつながり始め、各組織と会員の安否確認に全力をあげています。
宮城県は、死者3860人、行方不明者2252人(18日14時現在)、避難生活者23万6577人(同0時現在、毎日新聞)と、大きな被害を受けました。
14日、公衆電話で山脇武治県連事務局長(65)から全生連事務所に連絡が入り、ようやく無事が確認されました。
仙台市は15日に電気が復旧し、山脇事務局長から「仙台市内は、バイクで会員・読者を訪ねている。塩釜は虎川太郎会長(70代)と連絡がとれ、みんな無事のよう。石巻は町全体が壊滅(かいめつ)し、会員と全く連絡がとれない。ガソリンが給油できれば、食料など集めて何人かで行ってみる」とファクスが入りました。
津波は逃れたが続く被曝の危険
福島県の南相馬市原町区生活と健康を守る会の荒木千恵子事務局長(61)は、家の50メートル手前で津波が止まり難を逃れました。でも、この地域は原発から20キロの避難区域より数百メートル外。「市は避難しなくていいと言っている。ひどい」と怒りながら地域を支援に走り回っていました。再度の爆発で避難区域が30キロ圏内に拡大し、福島市へ避難しています。
全国各地で、震災直後から救援募金活動が始まっています。全生連は15日、松岡恒雄会長を本部長に、「東日本大震災」対策本部を立ち上げました。
(2011年3月27日号「守る新聞」) |