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東日本大震災 “全国はひとつ” 一緒にがんばって 生きていこう 会員さんが食料を届けてくれ 助かった 福島市 宮下 禎子(ていこ)さん(86)

 3月23日から25日、全生連の辻清二事務局長、新潟県生連の吉田松雄事務局長(全国常任理事)と南益久(ますひさ)さんが福島、宮城、岩手、山形を訪れ、被災者を励ましました。辻事務局長が福島市の高齢会員から聞いた実態と、南さんのルポを紹介します。

 3月11日、デイサービスセンターでおやつを食べているときに地震が起きました。みんな「おっかない」と叫びながら、机やイスの下にもぐりました。自宅は危険なので、幼稚園から始まって10日間で5か所を転々と歩いて避難しました。
 一番ひどかったのは競馬場、毛布1枚だけの生活で眠れなかった日もありました。親子が言い合いをしているのを見て、悲しくなりました。私は心臓にペースメーカーを入れているので、歩くのは辛(つら)かったです。

手の震(ふる)えが止まらない

 食事もおにぎりだけか、パンとペットボトルのみ。手の震えが止まらなくなり、5か所目の避難所にいるとき、病院に行きました。避難所の同じグループの50代の女性が付き添(そ)ってくれ、点滴と薬をもらってやっと震えが止まりました。
 家(県営住宅)には帰れましたが財布をなくし、食べ物は乾パンだけ。留守中に来てくれた小林登雄(すみお)副会長と安田稲子事務局長のメモを見て、事務所に電話しました。
 買い出しボランティアの男性会員さんが米や野菜、卵、おかず、トイレットペーパーなど届けてくれ、とてもありがたかったです。

役所の貸付断わられる

 年金生活なので、役所に行って当座の生活費の貸付をお願いしましたが、「3月15日で受付は終わり」、困りごと相談窓口では「年金が来月出るから」と断わられました。
 私は介護保険や後期高齢者医療、県営住宅家賃の減免を活用し、市内に住む息子も会員です。デイサービスが再開されたら、「『守る会』はとってもいい会だよ」と友だちに教えてあげたい。年であまり動けませんが、少しでも被災者のみなさんの役に立ちたいです。


“あきらめないで”
役立つ制度知らせよう
新潟・新津 南 益久 (69)

 運転手の私は緊急通行車輌確認証明書をもらい、軽油を72リットル持ち1050キロを給油なしで走りました。被災地ではガソリンが買えず、救援活動も大きく制限されていました。

不安訴える声聞く

 灯油が配達されず買いに行く手段がない人は、寒さに震(ふる)えているしかない。食料も薬も買えない。直接の被害がなくても、物資が来ないことは生死に関わります。自宅生活者への特別対策を要求することが急がれます。
 福島市飯坂町の避難所では女性たちから、原発の放射能の影響と子どもたちの健康や将来、故郷に帰れるかなど不安の声を聞きました。避難地域が次々変わり「情報不足で何を信用したらよいのか」「なぜ、私たちだけが地震・津波・放射能の三重苦に遭(あ)わされるのか」と、強く訴えられました。
 携帯電話や電話が使えない地域は「会員の現状が掴(つか)めない」と役員が不安を募(つの)らせていました。

急務の情報送受信

 必要な物を被災地に搬送して生命の維持と健康確保、情報の送受信体制づくりが急務です。自衛隊のタンクローリー車には1台も会いませんでしたが、救済に役立つ全ての装備を戦争のためではなく今、使うべきです。
 中越地震の時、被災時の制度を「会」のチラシで知らせ、「役所が言わないことを教えてくれた」と喜ばれました。役立つ制度を多くの被災者に知らせ、「あきらめないで生きていこう」と伝えたい。

(2011年4月10日号「守る新聞」)

 
   
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