全国生活と健康を守る会連合会は、7月27日〜28日、「2012年度予算要求・被災者支援、7・27〜28全生連中央行動」を行い、2日間延ベ120人余りが参加しました。1日目は、東京都内で交流集会を行い、2日目は、3班で厚生労働省や国土交通省、総務省、文部科学省と交渉を行いました。
交流集会では松岡恒雄会長が、「東日本大震災や福島原発事故の被災者の要求実現にむけて全力で取り組もう」と呼びかけました。
学習講演に参加者の共感と確信広がる
つづいて全国保険医団体連合会(保団連)の中重治(なかしげはる)事務局長から「『社会保障・税一体改革』で私たちの暮らしはどうなるか」と題した講演がありました。
中さんは資料も使い「社会保障と税の一体改革」の内容を暴露し、消費税増税の狙いを明らかにしました。5%の消費税率でも欧米の20%前後の消費税率の国税収入とほぼ同じ割合になることを指摘。改悪を阻止する運動の強化を訴え、参加者に共感と確信を与えました。
そのあと、被災地の岩手や宮城、福島からの代表は次つぎ仮設住宅の改善や義援金の収入認定問題、生活保護行政の是正などについて、切実な実態や要求の発言しました。
また大阪からは府営住宅減免改悪問題、東京からは国民健康保険の値上げ問題、神奈川からは、就学援助の改善運動について、力強い報告がありました。
被災者の要求で一定の前進成果も
2日目は午前中、厚生労働省とは生活保護、国民健康保険・後期高齢者医療で、国土交通省と交渉を行いました。
熱中症対策として生活福祉資金でエアコンの貸付金制度が新設されたことから生活保護世帯への貸付で追及。
「勤労収入・年金のある保護世帯だけに貸付を制限するのをやめよ」「一時扶助でエアコンを支給せよ」と要求したのに対し、当局は頑(かたく)なに「保護費以外に収入のない世帯に貸付は認められない」の一点張りでした。
義援金の収入認定問題では、「機械的に保護打ち切りをしないように指導する」「自立更生(こうせい)の内容を丁寧(ていねい)に説明することを周知(しゅうち)する」との回答がありました。
午後の厚労省の災害救助法の交渉では「仮設住宅や避難所など被災者支援の予算は十分に県に補助している」「被災地で不具合があれば国が適正に指導する」などと回答しました。
参加者からは「交渉に参加して全生連の運動を強め、組織を拡大せねばという決意を固めた」「生活保護や災災害支援で評価できる回答もあった」「厚生労働省の役人の傲慢(ごうまん)な態度に腹が立った」などの感想が出されました。
(2011年8月21日号「守る新聞」) |