東京・荒川生活と健康を守る会では、長年要求していた荒川区にあるJR常磐線の南千住駅前歩道橋のエレベーター設置が実現しました。20年近くの長い年月を要しましたが、早朝から夕方までの長時間にわたる署名行動、対都交渉などで早期実現を要求してきました。エレベーターができた要求実現の経緯と喜びの声が寄せられました。
1992年、荒川生活と健康を守る会では白内障眼内レンズの保険適用運動をはじめ、この時期に私鉄の駅での時計設置、JR常磐線の駅の停車問題、路面電車のホームと電車の段差解消、バスの停留所に屋根とベンチの設置など、交通機関に対して要求し実現をしてきました。
南千住駅前歩道橋にエスカレーター設置の署名活動を東京都生活と健康を守る会連合会の「安心の街づくり総点検運動」の取り組みの一環として行いました。
12時間連続で署名活動交渉で早期建設を要求
国鉄(現・JR)の中で最大級と言われていた隅田川操車場が都道464号線を分断していました。この踏切は、「開かずの踏切」といわれていましたが、近くに住んでいる人が買い物などのために道利用しており、足の弱い高齢者や障害者は平面交差だったため踏切を通っていました。しかし、東京都と国鉄は、交通渋滞緩和のために車は地下道、人は階段を使わせるという高齢者や障害者無視の大歩道橋を建設しました。歩道橋の階段は角度がけわしく、足を悪くしている人の階段の昇り下りは困難を極めました。
1992年の4月21日、近隣の会員さんが集合して、朝の通勤時間帯から夕方まで12時間連続で、東京都建設局安全施設課長が見守る中「南千住駅前歩道橋にエスカレーターの設置を」と署名活動を行いました。近所の方は「よくやるなー」と感心していました。
寄せられた署名は2001人分に達し、東京都に提出しました。
その後は、対都交渉のたびに早期建設を要求してきました。設計などの関係で、エスカレーターではなくエレベーター建設が決まり、ついに「私の要求」が実現しました。
このように荒川「守る会」では「私の要求」運動で、要求実現と組織建設が進みました。
“遠回りしなくてもいい” 実現したことに喜びの声
エレベーターに初めて乗ったあざみ班の平田かおる班長(86)は「これで線路の向こう側にある商店街や郵便局にも遠回りしなくても行くことが出来ます。とてもうれしい」、三宅恵子さん(72)は「膝(ひざ)を痛めていて、仕事に行くのに歩道橋を渡ればすぐ向こう側の駅に行けるのに、わざわざ30分離れているガードまで遠回りして駅に行っていました。エレベーターのおかげで楽になりました」と喜びを語りました。歩道橋の向こう側に住んでいるあすなろ班の小滝勝男班長(68)は、「浅草に行くのに大変便利になりました。私たちの班ができる前の活動に感謝と感動です」と話されています。
(六車光春通信員)
(2011年10月16日号「守る新聞」) |