厚生労働省は年金支給額を2011年度から、消費者物価指数が下がったとして、0・4%引き下げました。また、年金の支給開始年齢繰り上げの改悪も狙っています。国民・年金生活者から怒りの声があがり、全生連の会員497人が地方厚生局に抗議の審査請求を起こしました。福岡県生連では72人(国に再審査請求33人)が行い、山口県生連は54人(同21人)が請求しています。2県連の会員の怒りの声と実態を紹介します。
年額6800円減り
“腹が立つ”
北九州市八幡東区 山本博宣 (71)
私は新日鉄八幡製鉄所の下請け関連会社で、25年間警備員として働きました。そのときの厚生年金が、2か月で9万5950円です。
1954年(昭和29年)に右腕を事故で失い、その障害による障害基礎年金2級で2か月13万2016円、合わせて22万7966円を受給していました。
それが、6月15日の年金振り込みで、厚生年金が600円、障害基礎年金が533円、合わせて1133円減っていました。それを見たときには、頭に来て腹が立ちました。それでもわずかな金額だからと思い直しましたが、年間にすると6798円減ることになります。この金額は「車の維持費」などにひびいてきます。
民主党の菅さんは「年金は下げない」といっていたのに下げたので、余計に腹が立ってきました。民主党の政治も、私たちの生活をよくすることなど考えていないことが、よく分かりました。
仲間と一緒に
それで、仲間と一緒に審査請求をすることにしました。審査請求の理由には、「私の年金は、今まで2か月で障害年金13万2016円、厚生年金が9万5950円でした。それが6月15日にはそれぞれ13万1483円、9万5350円になってしまいました。年金の引き下げはやめて、元に戻してください」と、怒りを込めて書きました。
40年間正社員でも
1か月17万円弱
山口県下関市 上野真一 (64)
私は1947年(昭和22年)生れの団(だん)塊(かい)の世代です。「旧・国鉄」と「JR西日本」で40年間勤め上げ、60歳から年金の報酬比例部分(年125万円)が支給されるようになりました。64歳から満額の242万円(厚生年金202万円、加給年金40万円)をもらっています。
しかし、10歳から20歳年上の先輩のみなさんの年金より、3分の1もカットされています。妻が65歳になると加給年金もなくなり、私の年金は1か月17万円弱になります。
生活は、質素を旨(むね)としています。もっと年金があれば気持ちが楽になるし、旅行もしたいです。
年金納付率6割
つい先頃、国民年金保険料の納付率が6割と報道されました。4割の321万人もの人が滞納しているのです。払いたくても払えない非正規労働の人が増えています。正規労働者の2分の1、3分の1の給料で働かせる労働形態そのものがムチャクチャです。
早く年金制度を信頼される内容に改善しないと、近い将来大変な事態になります。震災や津波での“原子力発電の事故”と同じように、必ず来ることです。「想定外」ではありません。行政の人は、本気で取り組みをしてください。
(2011年11月20日号「守る新聞」) |