「生活保護の老齢加算の廃止は違法」と訴えた生存権裁判は全国9都府県で争われています。昨年6月、福岡高等裁判所で勝訴判決を勝ち取りました。しかし、北九州市は上告し来年2月24日に口頭弁論が開かれる事態になり、世論をさらに広げる必要性が強まりました。
最高裁において口頭弁論が開かれることは、高裁で下された判決が見直される可能性が大きいことです。
「老齢加算廃止が生活保護法第56条に違反し、違法」と判決が下されて勝訴した福岡高裁判決が破棄されるか、高裁に「差し戻し(最高裁の意向に沿って下級裁判所でもう一度審議をやりなおすこと)」になる可能性が出てきており、予断が許されない状況です。最高裁で判決が下された場合、各地裁と高裁の判決に大きな影響を与えます。
今、必要なことは、多くの人へ老齢加算復活支持の世論をさらに広げることです。
多くの署名を集め、街頭などで宣伝活動の取り組みなどを今まで以上に強化し、支援の輪を広げていきましょう。
“最後まで頑張りたい”
生存権裁判 原告 阿南清規(80)
弁論開始と聞いて、あまりよくないと思ったが、最高裁が福岡高裁判決を破棄し、最高裁が自ら判決をだす可能性が高いと言われた。そうなれば敗訴しかない。
弁護団は高裁に差し戻してくれることを望んでいると言われた。
そうなればまだ、チャンスはあると感じたので最後まで頑張りたい。
“最高裁を署名で包囲を”
生存権裁判を支援する全国連絡会
会長 井上英夫
みなさんの運動が勝ち取った大きな成果、福岡高裁勝訴判決がピンチです。
最高裁が口頭弁論を開き、国・北九州市の不当な上告を認めようとしています。
生存権裁判支援の運動を飛躍的に発展させてください。
福岡高裁判決は生活保護を国民の権利として認め、老齢加算の廃止処分は許されないとしたものです。
国、北九州市の上告が認められれば、生活保護基準のみでなく、最低賃金、年金、医療、介護、就学援助等の水準が引き下げられ、税金、保険料、一部負担が引き上げられるでしょう。
生活保護を受けている高齢者のみではなく、子ども、女性、若者、障害をもつ人、病気に苦しむ人、そしてすべての働く人々から社会保障・社会福祉、労働、教育の権利が奪われます。
みなさん。
人々に生存権裁判の意味を訴えましょう。
署名を広げ、最高裁を包囲し、国・北九州市の上告を棄却させましょう。
(2011年11月27日号「守る新聞」) |