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国民が希望持てる2012年度予算に 生活保護 老齢加算の復活を 全生連・松岡会長 安住財務大臣に要請

  「軍事費を削って、くらしと福祉・教育の充実を」国民大運動実行委員会は12月8日、安住淳(あずみじゅん)財務大臣に2012年度政府予算案の編成に対し申し入れを行い、松岡恒雄全生連会長が参加しました。

 安住財務大臣へ、代表がまず「消費税増税ではなく、大企業・大資産家が応分の負担をすべき」「世界の流れになっている軍事費の削減、とくに、米軍への『思いやり予算』廃止はすぐにできる」と迫りました。
 福島原発事故の除染は「国と自治体が責任をもってやるべき」「TPP(環太平洋連携協定)参加は、食料自給率を上げる政府の基本方針に反する。医療も含めアメリカから圧力が強まっているが、参加は認められない」「雇用の確保に国が手を差し伸べよ」なども要請しました。

生活保護基準改悪に答なく

 全生連の松岡会長は、「『社会保障と税の一体改革』は、生活保護では厚生労働省の生活保護基準部会で基準見直しが検討されている。高齢の受給者は老齢加算が削られ、大変な状況にいる。老齢加算を復活し、保護基準の改悪はやめてほしい」と訴えました。
 さらに、福島県南相馬市などで義援金を収入認定して生活保護を打ち切られた問題で、「国民は、そのために義援金を出したわけではない」と、打ち切りはやめるように要請。
 安住大臣は松岡会長の要請に、「雇用の確保を政策の柱にすえていくことが重要」と答えるなかで、「生活保護の問題でも、就業意欲を持っている人には職業紹介をきちんとやって自立の道をめざしていくことが必要だ」と述べるだけでした。

金持ちの税負担税制改革の課題

 安住大臣は、「金持ちに税の負担を求めるべきとの意見には賛成だ。証券優遇税制は、2014年から打ち切る。高額所得者の負担が楽になっていることは事実で、その是正(ぜせい)が税制改革の大きな課題」と答えました。
 「社会保障と税の一体改革」では、「10年経つと1・5倍くらいの社会保障予算が必要。若い人だけでは背負いきれないので、消費税増税を考えている」。
 TPPでは、「日本が参加してこそ、スケールメリット(規模を大きくすることによって得られる効果)がある」と言いつつ、「国民皆保険制度を壊してはメリットもなくなる。守るべきところは、責任を持って守っていきたい。日本から田んぼをなくさないために、所得補償が必要だ」と明言しました。

(2011年12月25日号「守る新聞」)

 
   
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