野田政権は1月6日、「税と社会保障の一体改革」素案を決定しました。13日には内閣改造を行い、消費税増税と民意切り捨ての議員定数削減をセットに「一体改革」を強行する姿勢を明らかにしました。レシートで消費税の計算をやってみた、横浜・港南区生活と健康を守る会の高橋陽子さんを訪ねました。(小古間ゆりか記者)
市営の野庭(のば)住宅に住む高橋陽子さんは、昨年11月の「消費税をなくす神奈川の会」の総会で、「1か月でどのくらい消費税をとられるか、レシートを集め計算してみよう」という提案を聞きました。
「神奈川の会」常任世話人の高橋さんは、「消費税導入から22年。5%になったが、内税扱いで痛税感は薄らいでいる。生活実感がなければ運動も弱くなる。10%になって泣くのは私たち。我が家の消費税調べをしよう」と決めました。
10%になれば年間18万円 使われ方は不明のままで
夫婦2人暮らしの高橋さんは昨年末、夫の給料が入る11月25日から12月24日までの1か月間、レシートを集め、家計簿に消費税を記入していきました。「年末が近いので出費は抑え、衣料品などの購入はほとんどない」のですが、出費は家賃や医療費、国民健康保険税、共済や車の保険などを含め29万円を超え、そのうち消費税額は7777円!
「消費税は5000円くらいにはなると思っていた」高橋さんですが、「衣類などを買わないのに、この金額。知らない間に多額の消費税をとられている」と驚き、10%になれば1万5000円、年間では18万円を超えると怒ります。「昔、すすめられて毎月5000円の定期積立金を始め、満期がくると嬉しかった。ところが、それ以上の金額が何に使われるかわからないまま、物を買うたびに支払わされている」。
マスコミも消費税増税後押しの報道ばかり。「増税されれば、大震災の被災者も10%むしりとられるのが消費税。復興もまだまだなのに」と思います。
生活はもっと切なくなる 話題にして怒り広げよう
重度の心臓病をわずらう高橋さんは外での宣伝・署名行動などはできませんが、署名してくれた人に渡す和紙の楊枝(ようじ)入れを作っています。
「レシートの消費税計算をしてみて良かった。自分で負担の重さを実感して、怒りの声をあげなければ」と高橋さん。「10%では生活はもっと大変になると考えたら切ない。ぜひ、レシートで自分の消費税を計算してみて。あちこちで消費税を話題にして増税反対の声を広げましょう」と呼びかけています。
(2012年1月29日号「守る新聞」) |