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阪神・淡路大震災から17年 復興住宅から“出ていけ”はやめて 1・17メモリアルウォーク・集会で今の状況を学ぶ

 1995年1月17日に阪神・淡路大震災が発生して今年で17年目を迎えました。1月17日には多くの行政や団体で追悼式典などが開かれました。震災の翌年から行われている長田メモリアルウォーク、追悼集会、復興住宅住民を取材しました。(水島大貴記者)

 最大震度マグニチュード7・3の揺れを観測した阪神・淡路大震災から17年経過し、建物などは再建されましたが、生活の面では住宅、貸付金の問題などで多くの人が悩み、苦しんでいます。特に神戸市が、法律(民法604条)を盾にし、20年を期限で復興住宅から住民を追い出そうとしています。

隣は誰かもわからない
近隣のつながりが希薄に

 震災の2年後から神戸市長田区のUR(都市再生機構)賃貸住宅に住む表玲子さん(81)は、復興住宅を追い出されることを不安に思う1人です。震災当時の過酷な状況や現在は隣に誰が住んでいるかわからないなど、人と人とのつながりが希薄になっていると話します。立ちのきできない人はいてもいいが家賃が上がるなど、今の状況を「落ちつかない」と話しました。
 同じくUR賃貸住宅在住で身体障害者手帳4級を持つ吉川トシさん(83)は「体がいうこときかないのに『出ていけ』と言われたらつらい。市営住宅に入れても山の方面に行ってしまったら、生活は絶望的」と話しています。

兵庫県での“復興の失敗”
東北でも生かしてほしい

 1月17日の午前中に行われた1・17メモリアルウォークには84人が参加しました。歩く前に森本真神戸市議会議員が「復興という名の地獄」と題して報告。兵庫県知事の「創造的復興」の失敗、復興住宅の問題点、宮城県の復興の進行が兵庫県の失敗と似ていることを指摘しました。
 メモリアルウォークは、JR新長田駅周辺を歩き、行政が指定した再建地域にはならず自力で再建した商店街や「創造的復興」の名で作られた商店街がシャッター通りと化している現状を見学。歩いた後、宮城県からの東日本大震災被災地の状況が報告され、その後の交流では多くの人が発言し、長田生活と健康を守る会の藤本隆美さんが「震災の時は『ウンもスンも』言えない状況だった。今までの経験を伝えていくことが大切」と発言しました。
 午後から行われた阪神・淡路大震災17年メモリアル集会には約300人が参加しました。東日本大震災被災地からの報告、石橋克彦神戸大学名誉教授を講師に記念講演が行われ、最後には連帯のアピールが採択されました。

(2012年2月5日号「守る新聞」)

 
   
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