全国生活と健康を守る会連合会は1月20日、中央社会保障推進協議会や全日本民主医療機関連合会など9団体で、2月29日で期限が切れる東日本大震災被災者の医療費一部負担金免除措置の延長を求め、厚生労働省と交渉しました。厚労省は1月31日、支援の延長を決めました。
「窓口負担(一部負担金)免除の延長が実現して、うれしい」とかかりつけの長町病院の前で話すのは、仙台市・若林区生活と健康を守る会の森浩さん(84)。通院してきた会員の針生(はりゅう)秀子さん(75)と佐藤要三さん(61)も、「森さん、よかったね」と喜んでくれました。
森さんは1月20日の厚労省交渉に向け、自分の実態を「わたしのひとこと」に書き、厚労省に提出しました。
糖尿病が悪化 眼科・耳鼻科も
「私は、最近めっきり足腰が弱くなり、前立腺の数値も悪くなり医者通いを始めました。一昨年は糖尿病が悪化して緊急入院し、インスリンを寝る前に22単位注射する身です。昨年、白内障で両眼を手術し、左耳は悪性中耳炎で、眼科・耳鼻科にも通っています」
妻のみやさん(82)は4年前から物忘れがひどくなり、精神科に通院中。週2回デイサービスに通い、2年前から毎日の給食サービスも利用しています。
家が「半壊」で「免除証」もらう
「年金生活で、2人の医療費と介護費用の出費が毎月4万円にもなるのはきつい」という森さん。「一部損壊」だった家は、異議申し立てしてきちんと見てもらうと「半壊」で、その結果、昨年9月に家の半壊が条件の1つである「後期高齢者医療一部負担金免除証」をもらいました。
「本当に助かった」という森さんは、「この制度が2月いっぱいで廃止と聞いて、不安でいっぱい」と、厚労省に訴えました。「私と同じ思いをしている方々を代表するつもりで訴えた。できれば、1、2年は延長してほしい」と願っています。
窓口負担免除の期限延長
(1)東京電力福島原発事故による警戒区域、計画的避難区域、旧緊急時避難準備区域、特定避難勧奨地点の住民
2013年2月28日まで
(2)東日本大震災による警戒区域等以外の被災区域で、国民健康保険、後期高齢者医療保険、全国健康保険協会の加入者
2012年9月30日まで
☆有効期限が2012年2月29日までの免除証明書は3月以降も引き続き使用可
☆入院時の食事療養費と生活療養費の免除は2月29日で終了
患者さんや地域の声聞きさらに運動を広げたい
宮城県・松島医療生活協同組合
専務理事 青井 克夫
私も厚生労働省交渉に参加しましたが、みなさんの運動が実って本当によかったと思います。
でも、国民健康保険、後期高齢者医療、協会けんぽ以外は対象外です。仕事はあって、その健保組合に加入はしているけれども被災して大変という方もいます。国はそれぞれの健保組合で免除措置を延長することはかまわないと言っていますので、こちらも運動が必要です。私どもの加入している日生協健保組合には、2月6日に延長をお願いしたところです。
福島原発被災地以外の被災地は今年の9月末日までです。患者さんや地域の声も聞き、さらに延長の運動に取り組むことも必要かと思います。
(2012年2月19日号「守る新聞」) |