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家畜同然の扱いに怒り 貧困ビジネスを裁判で告発! 千葉・八千代

 病気で生活保護を受けるようになり、千葉・八千代市にあるNPO法人エスエスエスの無料低額宿泊所・八千代荘に自治体からの紹介で入居した会員の4人が、6月8日、エスエスエスを相手取って千葉地裁に裁判を起こしました。劣悪な生活環境なのに、生活保護費から不当な入居費用などを徴収され、「人間らしく生きる権利を奪われた」として、その返還や慰謝料(いしゃりょう)など1520万円の損害賠償を求めています。9月13日には第1回口頭弁論が行われました。原告2人に話を聞きました。(田中由利子記者)

 原告の関口敏郎さん(58)は、「建物は元スーパーの社員寮で古く、見取り図にあるように、6畳2間とダイニングのスペースに、5人が入居していた。1人2畳半で、布団を敷くスペースしかない。布団も以前からの使い回しで汚れていて、綿が偏っていた。仕切りは石こうボードで、エアコンが2部屋にまたがるので上部60センチは空いたまま。個人部屋の入り口はアコーディオンカーテンで鍵はない」と話します。
 「食事は朝と夜のみで、冷えたレトルトのおかずとご飯、少しの漬物と、みそ汁もインスタント。食事時間も15分と決められ、寮長が見張り、みんな黙々と食べていた」「風呂とトイレは共同で、入浴は週3日、1人分の時間は15分たらず。湯を張る間もない。トイレットペーパーも5人で1か月9ロールまでで、とても足りない。洗濯も週3回の決まりだった」と原告の小山内(おさない)誠さん(61)。

手元に残る保護費では就労活動にも事欠く

 このような住環境で、使用料(家賃)は月4万6000円、食費が2万9000円、水道光熱費1万1000円、雑費2000円の8万8000円が徴収されました。
 手元に残る保護費は約3万円で、昼食代や足りないトイレットペーパー、洗濯洗剤、食料などを買うと、就職活動のための背広代も買えず、交通費にも不自由するほどでした。
 小山内さんは、「刑務所みたいで精神的にも苦痛だった。仕事を探し引っ越したいと市役所の生活支援課に話しても、『まだ早い。もっと貯金をしてから』などと言われ、エスエスエスに丸投げの状態だった」。
 原告4人と生活と健康を守る会の関わりは、八千代荘の入居者が、会員でもある市会議員に助けを求め、民間アパートに入ることができたことから。そのうわさを聞いた4人(入居期間2009年〜10年)も個別に相談に行き、八千代荘から民間のアパートに移って落ち着いた生活に戻ることができました。
 そして、八千代生活と健康を守る会立ち上げの準備会に参加。昨年6月に「会」が発足。今は同じような境遇だった人の相談に乗り、仲間を増やしています。12人で班もつくりました。

不満言うと強制的に退去、路上生活強いる

 裁判を起こそうと決意したのは、「八千代荘では入居者に正しい情報を隠し、『出ると保護を打ち切る』とか、不満を言うと強制的に退去させ路上生活を強いるなど、入居者に恐怖感を抱(いだ)かせていた。私たちは、生活保護費のピンハネをするエスエスエスの金の卵を生むニワトリであり、家畜同然だったから」と関口さん。「私たちだけの問題ではなく、被害者も多い。エスエスエスのような貧困ビジネスを許すわけにはいかない」と、2人は力強く語りました。

長期入居施設と化し貧困ビジネスの温床

 NPO法人エスエスエスは2000年3月の設立で、東京、埼玉、千葉を中心に約150施設、5000人ほどの入居者がいます。
 社会福祉法は「生計困難者のために、無料又は低額な料金で簡易住宅を貸し付け、又は宿泊所その他の他施設を利用させる事業」(社会福祉法第2条第3号第8号)を「無料低額宿泊所」としています。
 「事業者が不当に営利を図り、又は利用者の処遇につき不当な行為をしたときは、同法72条第1項の規定により、社会福祉事業を経営することの制限または停止を命じること」と厚生労働省は、社会・援護局長名で通達(2003年7月31日)を出しています。
 でも、「次の生活までの一時通過施設」のはずの無料低額宿泊所が、自治体の支援の下「長期入居」施設と化し、貧困ビジネスの温床になっています。


問い合わせ先
千葉県生連 電話047―407―0802 FAX047―407―0832

(2012年10月21日号「守る新聞」)

 
   
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