各地で税の学習会が開かれています。山口県生活と健康を守る会連合会は、給与所得、自営業や不動産所得の申告以外にも、3年前から農業収入申告に取り組んでいます。静岡生活と健康を守る会では、計算会から税務署の事後調査の立ち会いまでチームで対応しています。
山口県「制度知らずは損」
税運動に長年取り組んでいる下関生活と健康を守る会は、会員の半数が参加します。班会の開催が困難なところも、この時期だけは「税申告用袋」の中に1年分の必要な領収書など詰め込み、電卓持参で税班会に集います。
1月に税パンフ学習と新年会、2月に書き込み班会を年間計画に入れている神田班では、100枚程度のチラシを近所に配布、学習会に誘っています。一昨年は、「医療費の領収書は捨てている」という人に、とにかく1年分を集めるように声を掛けました。今年は、書き込み会に山ほど持って参加。税申告は非課税のため必要ありませんでしたが、前期高齢者の高額医療申請での多額の医療費が戻ったり、限度額認定証申請ができて喜ばれました。
農業収入申告も 2年で教え合う
県連として、税運動の拡大と空白地での組織化を合わせて進めています。その中で、自営業や不動産申告以外に、3年前から美祢(みね)地域で農業収入申告にも関わるようになりました。支援に入った事務局は、分からないことが出る度に、農民運動全国連合会や福島県連と秋田県連、税務署にも電話で教わりました。一緒に申告書を仕上げる中で、参加者は「自分で行いやっと分かった」と話し、2年目には教え合う関係ができました。
課題の克服や参加拡大工夫
組織結成と同時に税申告の学習と書き込み会を即座に計画した萩生活と健康を守る会。「計算は苦手」と住民税のゼロ申告を全班で取り組む山陽小野田生活と健康を守る会。タウン紙に「税と何でも相談会」を掲載して取り組んだ防府(ほうふ)生活と健康を守る会など。県連として、税運動を大きく広げるための年内活動や実務援助者づくり、全組織・全会員参加などの課題は残っていますが、全生連の税方針に沿った取り組みに少しでも参加しようと工夫をしています。
税申告と合わせて他の制度利用の案内をする度に「税務署や市・町の申告会場では教えてもらえない」「税金や保険料など自動天引きするのに、なぜ、住民に役立つことは申告主義なのか。制度を知らない者は損をするようではおかしい」という声が必ず出ます。
昨年から、障害者世帯のNHK受信料減免申請が毎年申請となりました。扶養の家族まで非課税証明を求められた下関生健会では、「今度の申告は家族全員でしよう」と呼び掛けることにしています。(村田悦子通信員)
静岡県 集団で権利を守る
静岡生活と健康を守る会は、毎年350を超える所得税、市民税の申告を行います。還付申告から非課税申告も行います。事業者向けには、毎年「私の計算書」「集計表」を発行しています。また、税務署からの事後調査にも役員が対応、計算会から立ち会いもチームで対応しています。自主申告運動を形だけのものにしないためにも、「集団で権利を守っていく」という観点を大切にしています。
税金対策部では、年内から税学習会を計画し、1月には一斉班会を開催。12月と1月にどれだけの会員が、税班会に集まって学習するかが税運動成功のカギです。
2012年春の申告では、安倍口団地班は、今まで事務所に頼ってきた申告を見直して、団地集会所で班会を開き、集まって話し合うやり方で申告書を作成、その後も班会を続けています。
多くの人が集団で申告することの大切さを実感していただきたいと努力しています。(松内是卓通信員)
(2012年12月16日号「守る新聞」) |