さいたま市議会保険福祉委員会で昨年12月10日、さいたま市の生活と健康を守る会5単組で組織する「さいたま協議会」が提出した「生活保護制度を維持することなど、国に意見書提出を求める」請願に対し、無所属の市会議員から、「生活保護費を40%削減せよ」などという、非道な生活保護攻撃がありました。これを受けて大宮生活と健康を守る会と与野生活と健康を守る会は、寒空の下、全国生活と健康を守る会連合会のチラシ1050枚を配布し、街頭宣伝を元気いっぱいに行い、生活保護に対する攻撃を跳ね返す運動を展開しています。(西野 武記者)
昨年12月25日、大宮駅から車で15分の場所に、大宮生健会13人、与野生健会2人、埼玉県生活と健康を守る会連合会事務局長の高藤登喜恵さんが集まり、一斉に、チラシまきと、マイク宣伝を開始しました。
怒りで涙こみ上げる
つじつじでの街頭宣伝は、宣伝カーで1か所約6分、計8か所で演説を行いました。
「生活保護は、他人の問題ではありません。リストラや、病気になったときの最後の命綱です。自民党は、10%の削減を明言しています。生活保護受給家庭は、不安でいっぱいです。社会的弱者へ、4割削減を主張するさいたま市の議員さんは乱暴です。同じ北区でも2月に3人が餓死状態で見つかりました。悲しい出来事を繰り返さないためにも生活保護をより豊かにし、誰もが安心して受けることができるようにすることが大切です」と訴えました。
街頭宣伝を、自転車を止めて聞き入る人や、団地の窓から顔を出して耳を傾ける人、庭の手入れをしながら聞く人などがいました。
宣伝をした大宮生健会の羽沢政子さんは、「大勢で宣伝ができてとても元気をもらいました。『生活保護40%削減』には、あまりにひどくて、怒りで涙がこみ上げてきました」と話しました。
大宮生健会会長の江田恵美子さんは「この議員の、請願を否定した発言は常軌を逸しています。周りの人が、危機感を持って進んで動いてくれました」と会のメンバーにねぎらいの言葉を贈りました。
生活保護受給者の中村敬さん(49)は、「削る話ばかりです。もっと就労支援を充実してほしい」と語りました。
生活保護削減への動きが増す中で、危機感を強めた運動が大宮をはじめ全国各地へ広がっています。
今月中にも基準引き下げ決定か
緊迫した情勢続く
無所属のさいたま市会議員は、委員会討論で「生活保護費を民主党は4%、自民党は10%削減と言ってるが、こういう意見はふざけている。40%ぐらい削減してもいい」と発言しました。
一方、国政では、田村憲久厚生労働大臣が、生活保護費の給付水準について「1割ぐらいを上限に検討し、判断したいが、連立としての調整はある。いきなり1割削減は、影響も大きいという感覚を持っている。丁寧に行っていきたい」と発言、生活保護費削減を進めることを明らかにしました。
「基準見直し」の検討をしている国の生活保護基準部会と生活困窮者特別部会が1月に開かれ、月内に予算案に盛り込まれる可能性があります。極めて緊迫した情勢が続いています。
(2013年1月20日号「守る新聞」) |