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東日本大震災から2年 岩手県・大槌町 遠い復興 消えぬ不安

 「3・11」東日本大震災から2年が経ちます。津波で浸水した沿岸部は、いまだ広大な荒野のままです。復興には、人件費・資材の高騰などの壁が高く立ちはだかります。寒さが続く大槌町の仮設住宅で暮らす釜石・大槌生活と健康を守る会の会員を訪ねました。(西野武記者)

 今後のことが心配 東谷康子さん(72)は、娘と孫2人の4人で仮設で暮らしています。「震災当日は、いつもより帰りが遅かった孫を高台にある吉里吉里小学校に迎えに行って助かりました。目前で、自分の家が流れるのをただ茫然と見ていました」と言います。
「当時、みぞれが降り、学校は泣き叫ぶ子がいて、テレビで見る戦争のような情景でした」と語り、「仮設の狭さには慣れたものの灯油が18リットル1890円まで上がり大変です。仮設も今後のことを考えると心配です」と付け加えました。
 わかめ養殖の仕事場と家が流された佐々木良子さん(60)は現在、仮設で夫と2人暮らしです。仮設に入る前までは、3か月間避難所の体育館で過ごしました。避難所先で母が亡くなりました。「前の住宅のローンが残っていて、これから家を建てると二重ローンになります。今後も大変です」と語ります。

公営住宅を急いで

 平野サワさん、(83)は、「震災当初は、紫波町に行っていたので命が助かりました」と言います。「仮設の中に、集会場がないので、友人と話ができるようなスペースを造ってほしいです。契約が1年延長(4年間)されましたが、その後がみんな心配です。早く公営住宅を建ててほしいです」と語りました。
 岩手県の人口は、2011年3月1日と12年10月1日を比較すると2・3万人減りました。大槌町では3004人、山田町は2100人が減少しています。義援金などの収入を理由に生活保護が廃止された世帯は222、辞退14、停止9(11年3月―12年8月分)で、人権侵害に当たるケースも生まれています。国は、何よりも復興を最優先すべきです。

(2013年3月10日号「守る新聞」)

 
   
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