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生活保護基準引き下げ中止を国に求める請願書 82市町村が全国で採択 「自分たちの活動が市議会動かす」

 全国生活と健康を守る会連合会は、国が進めている生活保護基準の引き下げに対して、各市町村に「基準引き下げ中止などするように国に求める請願書」をこの間、提出してきました。その結果、4月11日現在で、全国82市町村が「生活保護基準の引き下げなどをしないことを求める意見書」を採択しています。また、18市町村が継続審議にしました。採択した鹿児島県出水(いずみ)市の取り組みを紹介します。

出水市、準備整え成果

 鹿児島県の出水市議会は3月26日の3月議会の最終本会議で、出水市生活と健康を守る会の田上和義会長(54)が提出した「生活保護基準の引き下げはしないこと」の意見書提出を国に求める請願書を、全会一致で採択し、内閣総理大臣はじめ厚生労働大臣に出しました。
 請願項目は、(1)生活保護基準の引き下げはしないこと。(2)生活保護の国庫負担は現在の75%から全額国庫負担にすること―の2項目です。出水市生健会事務局長で市議の中嶋敏子さんが紹介議員になりました。
 2月12日に提出したこの請願書は、付託された市民福祉委員会で3月19日に審査。賛成多数で採択された後、3月26日の最終本会議にかけられ全会一致で採択されました。請願書の提出に先駆けて、出水市生健会は2月9日、祝迫かつ子県連会長を講師に「生活保護切り下げと私たちのくらし」をテーマに学習会を開催、20人が参加しました。学習会では、基準引き下げが最低賃金や年金をはじめ、国民生活全般に大きな影響を及ぼすことから、生活保護者だけの問題にとどまらず、国民全体の問題であることなどを学びました。日本の場合、生活保護を必要としながら実際に受けている率が15〜20%しかない中で、今、必要なことは生活保護基準の引き下げではなく、(1)生活に困っている人が、誰でも安心して受けられる制度にすること。(2)健康で文化的な生活ができる水準に引き上げること。(3)生活保護に要する費用は全額国が負担すること―などの理解を深めました。出水市生健会は2000枚の全生連の生活保護ビラを配布、広く知らせる行動にも取り組みました。

実態初めて知った議員も

 出水市は、中嶋市議が資料要求して明らかになった(1)出水市の保護率は全国・全県より低いこと。(2)保護世帯の構成別割合の中で増えているのは、「その他世帯(稼働世帯)」で、全国に共通していること。(3)悪質な不正受給は、年間2〜5件、扶助費総額に占める割合は、0・17〜0・4%にすぎないこと。(4)保護基準引き下げにより就学援助をはじめ37項目の市施策などに影響が及ぶこと―など、出水市の生活保護の実態が分かる資料を、本会議場で全議員と、職員全員に配布しました。これを見た議員の中から「生活保護の実態を初めて知った。よい勉強になりました」という声が上がりました。
 田上会長は「全会一致での採択にうれしさもひとしおです。自分たちの活動が市議会を動かす力になったことは、大きな確信になりました。これからも仲間と一緒に頑張ります」と喜びを語りました。
(祝迫加津子通信員)

(2013年4月28日号「守る新聞」)

 
   
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