会員の「歌いたい」という要望から2010年に発足した、広島市安佐南生活と健康を守る会のうたごえサークル「つん君とその仲間たち」。指揮指導とギターを広島うたごえ協議会副会長で会の名前にもなった突田守生(つくだもりお)さん(守る新聞読者)に、ピアノを中原久美子さんにお願いし、毎月1回練習を重ねています。(平野百合子通信員)
これまで、生存権裁判勝利のためにつくられた「あなたとわたしと」(作詞ともろぎゆきお・作曲峰陽)、全生連30周年を記念してつくられた「一人はみんなのために」(作詞作曲同上・編曲佐々木俊一朗)を歌ってきました。
東日本大震災、福島第一原発事故で被害に遭った人たちを思って、「ふるさと」や「花は咲く(明日へ―復興支援ソング)」も練習しています。
広島県うたごえ協議会が主催する「広島のうたごえ発表会」に一昨年から参加し、昨年は「日本のうたごえ全国交流会」にも参加しました。
今月5月には「反貧困ネットワーク広島」の定期総会に呼ばれ、広島市中区「守る会」のうたごえサークルの仲間とともに歌い、練習の成果を披露しました。
「一人はみんなのために」歌っていると涙が
発起人の一人である濱本慶子さん(61)は「一人はみんなのために」を歌うとき、感情があふれてくると言います。「毎月練習の日が楽しみです。カラオケでは味わえない解放感と一体感がある。『一人はみんなのために』は一度聞いてとても感動しました。歌っていると涙が出てしまいます。この歌を聞いて、よし頑張ろうと思ってくれる仲間もいて、今いっしょに続けています」。
鈴木直子さん(70)は他のうたごえサークルでも歌っているベテランですが、守る会のうたごえは他とは一味違うと語ります。
「活動は楽しいことばかりではなく、苦しいことももちろんあります。でも仲間と大きな声を出して歌っていると嫌なことを忘れるし、希望が持てる。希望を持って生きていきたいという歌をとりあげて歌っていけるところが、守る会のうたごえサークルの特色だと思っています。ひとつ印象に残っていることがあります。老齢加算廃止の撤廃を訴え闘っている生活保護裁判原告・上野清花さんもメンバーの一人。高齢のため無理はできませんが、発表会では椅子に座っていっしょに歌いました。私たちにとって生存権裁判を原告として闘っている身近な一人であり、いつもその人を思って歌っているから、ともに歌えたことがうれしかったです」。
今年もうたごえ発表会に出るのかと鈴木さんに聞いたところ、「生存権裁判と全生連の歌を引っさげているのは、私たちしかいない。もちろん出ますよ」と明るく応えてくれました。
(2013年5月26日号「守る新聞」) |