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岩手県紫波町 独居高齢者 孤独死防げ 民生委員に聞く

 「守る新聞」を購読していただいた民生委員がいると聞いて6月2日、全国生活と健康を守る会連合会の辻清二副会長が岩手県紫波(しわ)町を訪問。3人の民生委員に活動の苦労などについて話を聞きしました。

地図 民生委員は、厚生労働大臣から委嘱され、地域住民の相談・援助をし、社会福祉の増進に努力しています。児童委員も兼ね、子どもたちの見守り、相談・支援をしています。
 高倉伸吾(仮名)さんは、「一人暮らしの高齢者が増え、風呂場で孤独死した方もおられた。見守りなどの活動もしているが、一人暮らしのお年寄りをどう守っていくかが大きな課題」と、開口一番話してくれました。
 山本和夫(仮名)さんは、「この町は、ニュータウンと農村地域に分かれている。ニュータウンでは隣近所の付き合いがあまりなく、虐待など家庭内のトラブルがあってもなかなか表には出てこない。農村地域でも、お年寄りが田んぼの水路に落ちて流されるといったことも起きている」と語りました。
 黒石高志(仮名)さんは、「みんなで連絡を取り合って、集落で見守りの活動をしている。生活保護は以前、民生委員の証明をしていたが、今はその必要がなくなったので相談はあまり来なくなった」と言います。
 「遊び場がない、子どもたちの声が聞こえない状況を何とかしたいと、山林を切り取り里山を自然公園にして子どもたちの遊び場にした」(高倉さん)と話します。
 民生委員の活動の悩みを聞くと、「地域の人たちをどう支援するか全体として計画する役所の体制が弱い。一つの窓口を作ってなんでも相談できるようにしてほしい」とのことです。


 紫波町は、保護者・住民の運動に応えて、学童保育所(こどもの家)をつくり、運営しています。
 7か所の学童保育所がありますが、その中には、写真の「日詰第二こどもの家」のように、小学校施設の活用ではなく、町独自で建設し運営しているところが4か所もあります。自治体が独自で学童保育所を建設・運営しているのは岩手県下では紫波町だけです。


大震災からの復興へ

互いの壁を乗り越えて

 話は、東日本大震災のことに移ります。紫波町は、震災・津波で大きな被害を受けた大槌町の被災者165人を受け入れました。
 「被災者や大槌町の民生委員との交流も行い、被災者支援を行ってきた。最初の被災者支援は町内のボランティアが中心であったが、地域に結び付いた民生委員の役割は大きいと思う」(山本さん)と語っています。
 「2か月に1回、『ひまわり』会を開き、毎回25人程度参加して、被災者の交流をしてきた。支援する人、される人の壁をなくし、みんなで2年間取り組んできました。こうした活動は岩手日報(地元紙)にも紹介された」(高倉さん)と言います。

「『守る新聞』は活動の参考になる」

 「守る新聞」の感想を聞くと、「民生委員の活動していて大変参考になる。『制度のあらまし』も参考になる。ただ、理解できない面もあり、もっと分かりやすくしてほしい」と話してくれました。

 村上充岩手県連会長の話
 話を聞いてみて、ほんとに幅広く活動し、苦労されていることを実感しました。ただ、個人情報保護の関係でどこまで家庭の中に踏み込めるのかについて悩んでおられる。
 民生委員さんから相談にどう対応したらいいかと聞かれることがあるが、もっと相談で連携していきたい。今、農村部でも介護など要求が切実なので会員・読者を増やして、地域に班をつくっていきたい。

(2013年6月23日号「守る新聞」)

 
   
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