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生活保護改悪法案 世論で“廃案”次への大きな一歩

 「よーし! 当然だ」「運動の成果だ」―。二転三転した国会は、参議院本会議で安倍晋三首相への問責決議案が可決・成立し、本会議、厚労委員会が散会となり、今国会での生活保護改悪法案は廃案となりました。大雨が降りしきる中、参議院議員面会所で最後の最後まで反対を訴えた約80人が、歓喜の声をあげました。

国会行動に全国から延べ530人

 国会最終日の6月26日は、全生連が国会前行動をスタートした5月31日から19日目(土、日除く)になります。この間、議員要請は、全国会議員(衆参合わせて)722人、厚生労働委員会の議員(衆議院45人、参議院25人)70人には、何度も行いました。座り込み集会などへは延べ530人が、全国から足を運びました。
 中央社会保障推進協議会、全国労働組合総連合、全日本民主医療機関連合会、全国保険医団体連合会など他団体の代表らも多数が連日参加、生活保護法案改悪を阻止することの重要性を語りました。
 この間開かれた厚労委員会で、田村憲久厚生労働大臣は、「以前と何ら変わるものではありません」を繰り返しました。傍聴した参加者は「変わらないならなぜ法案を改正する必要があるのか」「政府は憲法をどう理解しているのか」異口同音の声が響きます。
 集会に奈良県から参加した飯尾大彦さん(66)は「国会行動は、人とお金の問題でなかなか来られなかった。最後の最後、今行動しないと悔いが残ると思って参加した」と強調しました。
 東京都江東区から駆け付けた生活保護利用者の向田隆光(りゅうこう)さん(75)は、「2日に1回参議院の議員要請に来たが、我々のことを理解してくれる議員が少ない。今の暮らしは動物以下で満足いく食事ができない。これ以上苦しめないで」と語りました。
 さらに、廃案が決まると「まともな法案でないので、廃案になるのは当たり前。こんな法案を審議するのは、税金の無駄遣い。そんな議員はいらない」と強調、廃案を心から喜びました。

大学研究者も緊急反対声明

 大学の研究者が中心となって、「生活保護改悪に反対する緊急共同声明」を発表しました。6月25日現在で、425人が賛同しています。
 井上英夫(金沢大学名誉教授)、木下秀雄(大阪市立大学教授)、後藤道夫(都留文科大学名誉教授)、笹沼弘志(静岡大学教授)、布川日佐史(法政大学教授)、三輪隆(埼玉大学教授)、村田尚紀(関西大学教授)、森英樹(名古屋大名誉教授)の各氏、大勢の研究者が反対声明に立ち上がりました。


怒りを継続し運動の前進を

中央社保協事務局長 山口  一秀

 国民の生存権を脅かし、生活保護法を前近代的な内容に改悪する生活保護法改正案と生活困窮者自立支援法案のいわゆる「生活保護改悪2法案」が、国会会期末の6月26日、二転三転した挙げ句に廃案となりました。
 法案は、申請権を拒否する「水際作戦」を合法化し、保護の要件ではない扶養義務者の扶養を事実上保護の要件として、国民の保護請求権を否定、保護費を抑制して生活保護受給者を増やさないための制度改悪を目的としています。
 社会保障制度改革推進法による社会保障解体の突破口にも位置付けられる改悪です。
 この改悪で、生活困窮者が生活保護申請をためらい、自死・餓死などに追い込まれるケースの増加が十分に予想されます。廃案は当然の結果です。
 この法案は、次の国会で再び出される可能性が非常に高く、この怒りを継続し、生活保護基準の引き下げなどに反対し、生存権を守る運動を前進させ、「推進法」廃止と社会保障の総改悪を許さない闘いをさらに大きく構築していきましょう。

(2013年7月7日号「守る新聞」)

 
   
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