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「仲間いるから安心」 共同住宅・スタート 東京・荒川

 東京都の荒川生活と健康を守る会は、会の有志で特定非営利活動法人(NPO)準備会を立ち上げ、一人暮らしの高齢者を中心に共同住宅をスタートさせました。7月29日、共同住宅を訪ね、入居者らにお話を伺いました。(辻 清二記者)

 荒川では、役員会などで繰り返し話し合い、NPO準備会えん(代表・宮内いほ子さん)を役員10人でスタートさせました。
 角光男(荒川守る会会長・えん副代表)は、「えんとは、つながり、支援、まる(連帯)などをさします。会の役員会では、年をとっても働きたい、いずれはみんな一人になるのだからと老後の夢を語り合いました。荒川区では、100人規模の窓もない消防法違反の脱法ハウスまでできています。こんな話し合いをしているとき、会員の不動産屋さんが住宅を紹介してくれ、みんなで資金を出し合い、共同住宅にこぎつけました」と言います。
 7月に入居が始まり、すでに6世帯全員が入居しました。
 中島正和さん(66、えん副代表)は、「今は亡き六車光春さん(元事務局次長)が生前やろうとしていたことが現実になった。一人暮らしの高齢者は都営住宅にはほとんど入居できない。その上、民間アパートは保証人がいないと入居できない。孤独死を私たちの周りから出したくない」と共同住宅の必要性を訴えます。
 荒川区は、独自に家賃助成制度を実施しましたが、現在は制限が厳しく、ほとんど利用できません。

福祉のために頑張りたい

地図 入居したばかりの3人の方に、入居したいきさつ、入居できて良かったこと、生活と健康を守る会への思いを聞きました。
 武井通さん(75歳)は、「2年間で3度転居したが、日が当たらない住宅で家賃も高かった。ここは風通しがよく、家賃も安い。こんな住宅にみんな入れたらいい。孤独死になっているなんてつらい」と。
 桑名三徳さん(90)は、「私も3度転居してきた。住んでいた木賃宿ではネズミが住みつき、南京虫が天井から落ちてきた。クーラーも古い機種で電気代が月9000円もかかった。都営住宅も入居できなかった。会の人と一緒に入居できて安心」と話しています。

「『守る新聞』配ってくれるから安心」

 中村武士さん(70)は、「26年間靴会社で働いてきて、住まいは家賃12万3000円の公団住宅に住んできた。定年になり、妻が昨年死亡した。都営住宅も入居できなかった。今回、風呂もトイレもついているところに入居でき、うれしい」と話しました。
 3人に生活と健康を守る会についても聞きました。
 「知り合いにさそわれて班会に参加した。一人になってしまい寂しい思いをしていたので会に入りたいと思った。会に入っていた方がいいと思った」(中村さん)、「会に入って20年になる。きっかけは会の街頭宣伝で最初は宗教の宣伝かと思ったが、署名をしてすばらしい会だと分かり入会した。みんなの福祉のために会の宣伝をしたい」(桑名さん)、「会の役員の皆さんは親身になってよく動いてくれる。『守る新聞』を毎週配達してくれるから、一人暮らしの人は安心できる。もっと多くの人たちが新聞を購読してくれるのでは」(武井さん)と話してくれました。

(2013年8月11日号「守る新聞」)

 
   
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