全国生活と健康を守る会連合会(全生連)は8月6日、生活保護基準の引き下げ中止などを求めて、「被災者支援の抜本的強化と人間らしいくらしの実現を求める2014年度予算要求書 全生連8・6中央行動」を国会内で行い、104人が実態と怒りを持って参加しました。午前中は「生活保護」について交渉、午後は4班に分かれて厚生労働省、復興庁、経済産業省、文部科学省にそれぞれ要求を突き付け交渉しました。(西野 武記者)
基準引き下げは生きる希望奪う
交渉の前に行われた全体集会で、安形義弘全生連会長は「今の政府は、国民に牙をむいています。8月から行われた生活保護基準の引き下げに、審査請求に立ち上がった人たちが、北海道をはじめ次々に増えています。会員からは『生活保護利用が悪いことなのか自問自答しています。基準の引き下げは、生きる希望を奪うものです』という声も寄せられています。実態と怒りをもとに悪政にストップをかけましょう」と激励のあいさつをしました。
続いて、7月21日投票の参議院選挙で初当選した辰巳孝太郎さんが「大阪の此花生活と健康を守る会にいました。全生連前会長の松岡恒雄さんに育てられました。廃案になった生活保護改悪2法案の再提出阻止に全力を挙げていきます。最後まで『生健会のタツミコウタロウ』です」と語ると、会場は大きな拍手に包まれました。
エアコンの設置陳情で市が支給
生活保護の交渉では、埼玉から参加した男性が「妻と子ども3人の5人家族で、病気のため朝短時間しか働けず、生活保護を利用していたが、1人が専門学校に入ったので外れ、現在は4人が利用している。支給額は14万7240円だったが、8月からの改悪で、7000円下がった。生活はとても苦しい」と切実に訴えました。
埼玉県新座市生活と健康を守る会の斉藤喜作さんは「精神障害で、エアコンの設置が必要と診断された66歳の女性が無収入を理由に、市の福祉事務所にエアコン設置を3回断られた。診断書が出て緊急性があっても認められなかった。東京では1年限りで認められたケースもあり、厚労省はぜひ認めてほしい」と強く訴えました。
しかし、厚労省は「生活保護を受けていない人との公平性を考えると認めることは難しい」と回答しました。
早速、新座市の「会」では翌7日の理事会で、厚労省に断られたため、対策を話し合い、緊急の陳情書として、医者の診断書など事情を克明に記したものを新座市の須田健治市長宛に届けることを決定、翌8日に提出しました。
その後、本人に「無条件で、エアコン助成金を支給」という「措置決定」の連絡をしてきました。
国保・医療の交渉では、「国庫負担を増やし、国保税・料を引き下げること」、仮設交渉は「みなし仮設扱いの住宅の住み替えを認めること」、介護では「介護保険の抜本改悪をしないこと」、復興住宅は「早期建設を」、熱中症・東電賠償では「エアコン補助制度実施を」「除染、賠償問題の解決を」、就学援助は「準要保護認定で生活保護基準を採用している自治体が60%に上るが、保護引き下げで影響が出ないように」とそれぞれ実態にもとづく要求で追及しました。
(2013年8月25日号「守る新聞」) |