生活と健康を守る会の仲間たちはさまざまな趣味を持っています。それを大勢の前で披露したいという要求に応え、交流を深める催しの一つが文化祭です。福島市生活と健康を守る会のそれは今年が5回目。福島市音楽堂小ホールに10月20日、用意した椅子が埋まる130人が集まり、ステージと客席が一体となった、楽しい時間を過ごしました。(番匠 寛記者)
芸達者集まる
県内の他の生活と健康を守る会の文化行事に触発された会員の要求から始まった文化祭。実行委員会の安田稲子さんはその魅力とポイントを「みんなが主役になれること」と話します。
エントリーするみなさんにとっては晴れの舞台、開催前に練習を重ねます。歌を披露する人は、どうしてもカラオケボックス通いが増えてしまうとか。手間暇かけて腕を磨き上げ、本番に臨みます。
初回からの常連、舞踊「白虎隊(びゃっこたい)」を演じた小林登雄さん(79)に聞きました。
もともと踊りが好きで、若い頃はソーシャルダンスをやっていました。やがて生活と健康を守る会の踊りクラブに加入、和の世界にも踏み出します。自宅でも練習を欠かさずに鍛えた腕前を披露する場が文化祭。ステージに上がり、今年も「最高の気分」を味わいました。
演目は32で、歌、踊り、南京玉すだれ、寸劇、マジックなど多種多彩。「うまい下手は別次元」(安田さん)。なかなか玄人はだしとはいかず、ちらちらと歌詞カードを見ながらの歌もご愛嬌(あいきょう)。観客席からは声援に加えておひねりも飛び、花束が渡される場面も。それぞれの演技が終わるたびに、盛大な拍手が鳴り響いていました。
エントリーする人の多くは常連ですが、毎回、新人も登場します。今回はどじょうすくいやピアノ演奏といった新ジャンルも加わり、バラエティー化にも一役かっていました。
リレートーク
「今、私は言いたい」―。原発、生活苦、社会保障改悪など国民を苦しめる問題は山積みです。リレ―トークでは5人(3人はメッセージ代読)が怒りをぶちまけ、闘う決意を語りました。
発言者の一人は、訪問介護の仕事に携わっている伊藤信子さん。「国は要支援と認定された高齢者の保健給付廃止を打ち出しているが、これはとんでもないこと。要支援といっても実際は歩行や立ち上がりに苦労し、掃除、洗濯、調理はできない」と現場で働く人ならではの疑問を投げかけ、実態を告発しました。
話は、介護職が置かれた厳しい労働実態にも及びます。「条件が悪すぎ、悩むことがたくさんある。もっと良くしてほしい」と訴えました。
縁の下の力持ち
華やかなステージを支えたのは実行委員会。菅野秋雄委員長ら19人が縁の下の力持ちを務めました。会合を重ね、各人が任務を分担して開催にこぎつけ、当日も走り回っていました。
どのような催しもそうですが、開催に当たっては経費が大きな課題となります。スタッフはボランティアでも会場費をはじめいろいろなものを積み重ねるとかなりの額になります。それを少しでも補おうと工夫を凝らしています。
見逃せないのは営業努力。プログラムに広告を掲載しています。法律事務所、造園、旅館、不動産などのさまざまなスポンサーが、経費をサポートしています。
無事、今回も幕が下りました。しかし、それは次回へのスタートでもあります。
次回は会結成50周年という節目の年での開催となります。ほっとする間もなく、さらなるレベルアップに向けて、また1年、走り続けます。
こちらもお見逃しなく
力作並べ展示コーナー
ホールでの熱演の他、通路には展示コーナーが設けられました。
文芸作品(川柳・俳句)、写真、絵画、絵手紙、手芸、着物をリメークしたものなどの力作がずらり勢ぞろい。開演前のひとときや休憩時間は、それらもきょうの主役とばかりに出来栄えを披露、ひときわ注目を集めていました。
また、開演前の午前11時から2時間、福島医療生活協同組合が小ホール入口前に健康チェックコーナーを開設。血圧測定などを行いました。
(2013年11月3日号「守る新聞」) |