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生活保護基準の引き下げで 就学援助が危ない? 生活保護利用者以外も影響

 8月に実施された生活保護基準の引き下げは、最低賃金や住民税非課税限度額の算定、就学援助などさまざまな制度に悪影響を及ぼします。厚生労働省は、国の制度38件に影響が出るとしています。自治体でみると、例えば東京・世田谷区では63事業、北海道帯広では、51事業で影響が出ます。千葉県流山市生活と健康を守る会では、早速、影響を出さないようにと、就学援助の改善に向け、市の教育委員会と交渉をしました。

子どもたち泣かせないで

サービスの継続決めた自治体も

 東京都世田谷区では、生活保護の1・2倍を就学援助基準で支援しています。区では、就学援助の実施概要を改正して、援助の対象外になった世帯がこれまで通り援助を受けられるようにすることを決定しています。同区の就学援助受給者は小学校・中学校合せて5800人(2012年度)が受けており、そのうち、約70人が対象外になりますが、今まで通り受給できるようになります。
 北海道帯広市の就学援助基準は生活保護の1・3倍です。就学援助制度利用者は、3348人(13年度)で、うち238人(14年度)が影響を受けるとしています。
 同市では、今年度(14年3月まで)は、影響が出ないように条例や、要綱の変更で対応するとしています。新年度(14年4月以降)はまだ決まっていません。

影響ないように!早速「会」が交渉

 基準引き下げによる影響を食い止めようと、千葉県の流山市生活と健康を守る会の「教育制度を考える会」(関本智子会長)は10月22日、教育費の父母負担軽減削減のため、就学援助制度の改善を求め、教育委員会交渉をしました。今年度の就学援助制度利用者は、7%から11%になっています。

 就学援助費支給規則作成にあたって「会」は、流山市に(1)保護者の意見を取り入れること、(2)児童・保護者全員に、就学援助希望調査すること、(3)認定基準を前年「収入」から「所得」にし、生活保護基準の1・5倍を堅持すること。その際、2013(平成25)年8月以前の生活保護基準で行うこと―と要望しました。
 これに対し、教育委員会は「規則は、来年2月頃でき、教育委員会に報告。みなさんの意見は聞く」「今年、学校現場は、就学援助希望をどんな方法でやったのか調査し、検討する」「収入にするか、所得にするか、生活保護基準の1・何倍にするかを検討中」「所得の方が公平であることは認める。8月以前の生活保護基準での認定では、今年度はできるが、先は難しい」と回答しました。
 また、クラブ活動費、生徒会費、PTA会費の要保護世帯への漏給をなくし、準要保護世帯への支給を実現すること―を要望。
 「要保護世帯に支給されるように学校長に徹底する。準要保護世帯への3項目支給予算は2000万円。今やるとは言えないが、今後もやらない訳ではない」と答えました。
 この交渉で、今年度から就学援助決定(申請却下)通知書に、保護者の異議申し立ての権利を明記したことも明らかになりました。
 交渉参加者は「こうした交渉を重ねていくことが大事だと実感した」と語りました。交渉を通して、「会」から9人が参加し、2人の会員が増えました。
(妹尾七重通信員)

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(2013年11月24日号「守る新聞」)

 
   
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