「生活保護削減反対」「保護法案廃案」を訴えて、国会前座り込みをはじめて約1か月がたちました。残念ながら、参議院本会議では、可決されてしまいましたが、全国生活と健康を守る会連合会は、座り込みの舞台を参議院前から衆議院前に移して、北風の吹く中、最後まで連日続けています。
参議院厚生労働委員会は11月12日、生活保護法「改正」案と生活困窮者自立支援法案を、共産党と社民党を除く賛成多数で可決しました。辰巳孝太郎委員と福島瑞穂委員が生活保護法「改正」案について、「憲法25条の精神を踏みにじり、水際作戦を助長する」と強く反対しました。生活と健康を守る会の会員67人が傍聴に駆け付けました。
今月7日と12日の2回、わずか数時間の論議での可決。与党や民主党などが数の論理で押し通しました。
審議の短さ以上に問題なのは、「これまでの取り扱いに今後とも変更がない」「いわゆる『水際作戦』はあってはならないことを、地方自治体に周知徹底すること」との文言が入った付帯決後です。
扱いに変更がなく、運用が変わらないのなら、現行法を変える必要はありません。法案の道理のなさが、改めて示されました。
参議院議員会館で11月13日、STOP生活保護引き下げアクション主催の生活保護基準引き下げと生活保護法改正に反対する集会が開かれ、150人が参加しました。
集会では、研究者、最低賃金訴訟の原告、年金者、障害者団体などさまざまな立場から発言がありました。全生連安形会長も発言し、生活保護利用者として東京・荒川生活と健康を守る会の吉田広昭さん(50)と稲川恵子さん(81)が発言を行いました。
吉田さんは「これ以上何を削ったらよいのか、下げた保護費を元に戻してほしい。早く病気を治して、働きたい」と訴えました。
稲川さんは「生活保護を受ける前は介護の仕事をしていましたが、足と腰を痛め、生活保護を受けることになりました。保護費の引き下げで一番困るのは、病院に行く時。新しい下着をなかなか買えないので、病院でぼろぼろの下着を見られるのがとてもつらい」と話しました。
「いのちの平等、ないがしろにしないで」
11月18日に東京都板橋区から参加した男性(61)は「参議院は通ってしまいましたが、衆議院は残っています。最後の最後まで頑張ります」と語りました。
同じく板橋区から参加した影沢知恵子さん(61)は「私は、生活保護を受けています。自分でできることは、精いっぱいやり遂げたいです」と力を込めました。
品川区の松田桂子さん(76)は次のように語りました。
「守る会の運動に参加してまだ1か月くらいです。新日本婦人の会女性運動に長く携わってきました。都生連の大会の報告を聞いて、驚きました。本当にいのちの平等がないがしろにされています。皆さんといっしょに頑張っていきたいと思います」。
続いて、衆議院の議員要請に向かいました。この日の議員要請は5人でしたが、いずれも秘書が対応しました。
影沢さんは「生活保護費が8月から660円下がりました。食事を1日3回から2回にしました。お米も月2キロで暮らしています。若い人も生活保護受給がなかなかできずに困っています。若い人も救ってください」と訴えました。
(2013年12月1日号「守る新聞」) |