東日本大震災から3年が立ちます。いまなお復興のメドがたたず、被災者は厳しい生活を強いられています。2月24日、宮城県石巻市の南堺第7仮設団地で「生健会懇談会」が開かれ、全国生活と健康を守る会連合会の辻清二副会長や宮城県生活と健康を守る会連合会の山脇武治事務局長らが訪ねました。懇談会では、仮設住宅に住む被災者のみなさんから、大震災以来の生活ぶりや復興への思いが口々に語られました。
懇談会には、南堺仮設住宅に住む住民10人の方が参加。宮城県連や矢崎春彦副会長をはじめ石巻生活と健康を守る会の役員も激励に駆け付けました。
真っ先に話し出したのは青沼ユミ子さん。青沼さんは、「仮設住宅は夏は暑く、冬は寒く、暮らしづらい。復興住宅を申し込んだが、家賃、水光熱費がかかる。復興公営住宅の建設が遅い。一番の願いは復興公営住宅を早く建ててもらうこと」と。
仮設住宅や住宅の環境についても意見や要望がたくさん出されました。
「大雪で胸のあたりまで積もった。雪かきが大変だった」「できるだけ節約しているが、灯油は月4缶必要で、8000円もかかる、また結露がひどい」「バスの本数が少なく不便」など。
近所の仮設住宅では元の用水路の上に建てたため、床がゆがんているところもあるという話も出されました。
震災で家が全壊して土地の登記や固定資産税の問題がまだ解決していないという苦労話も出されました。
自主申告して非課税証明を
「年金が低いのに後期高齢者医療の保険料が高い」「医療費をたくさん使ったので税金の控除を受けたい」など税金などについて知りたいとの声が出されました。
山脇事務局長は、「後期高齢者医療の保険料は住民税の申告で決まる。税金がかからなくでも申告をして非課税証明が取れるようにしておくことが大切」「医療費控除は10万円以上だけでなく、所得が低い場合は所得の5%以上かかった場合も控除ができる」と丁寧に答えていました。
また、「生活と健康を守る会はみんなで学習して一緒の自主申告の運動をしています。あなたもぜひご一緒に」と呼び掛けました。
話題は、今年4月から被災者の医療費免除制度が復活することに移りました。
医療費免除制度復活するけど…
山田千枝子さんは、「宮城県庁に免除制度の復活に要請に行ったり、署名も集めて提出した。その結果、復活することになったのよね。でも免除の対象を住民税非課税の人に限定しようと動きがあるのね。限定するなんて納得できない」と怒ります。
行政の冷たい対応に、「私は主人と妹、姑(しゅうと)を震災で亡くした。役所は苦しい人の身になって考えてほしい。オリンピックは二の次。住まいと仕事をちゃんとしてほしい」と力強く話してくれました。
(2014年3月16日号「守る新聞」) |