いよいよ4月。桜が咲き乱れ、新入学、進級、入社と希望あふれる季節です。そんな希望あふれるとき、「冷や水」を浴びせるのが消費税増税です。税率5%から8%への大増税です。「守る新聞」編集部は、消費税増税によって暮らしの負担が大変になる実態を追いました。今回は、東京都北区の藤本ヒロ子さんの負担の実態と怒りの声を紹介します。(辻清二記者)
生きる張り合い奪わないで 東京都北区 藤本 ヒロ子(74)
消費税増税がいよいよスタートしました。世の中は、あおるように「上がる前に買いましょう」と連日報道して騒いでいました。
私たちは、減らされていく年金で暮らしを守らなくてはならない。
今までは、このくらいなら何とかなると思って生活していましたが、表を作ってみて恐ろしくなりました。1年たつと、1か月分の増税です。どこで節約していけばよいのか、何を削ればよいのか、家計を見通していかなければなりません。衣類はほとんど買っていません。
今でも食料は、キャベツ1個を買えば、最後の芯まで刻んで食べています。
班会で私より年上の人が節約食事を作っていると話しました。3品くらい教えてくれました。
どうにか食費は削れますが、暖房は、この冬の寒さだと止められませんでした。ここでけちって風邪をひいたら病院通いです。通院費もままなりません。年金は毎年減っていきます。物価よりもさらに年金が下がります。
見たい芝居も読書も削らなければなりません。年金で年をとっても楽しい生活ができると思って、若い時に働いて無理をして積み立ててきたのに、どんどん減らされては、生きていく張り合いがありません。
何としても8%の消費税には反対します。
増税と年金減のダブルパンチ 臨時福祉給付金はスズメの涙
政府は、消費税増税で負担が重くなる低所得者に1回きりの臨時福祉給付金を支給するとしています。支給される対象者は住民税非課税の人です。また、住民税非課税で、年金や児童扶養手当などを受給している人には5000円の加算金が支給されます。支給は、住民税が確定する6月ころから、各市町村で始まります。
政府は、1万円という金額は「消費税率の引き上げによる1年半分の食料品の支出額の増加分を参考」にしたと言います。
ところが、食費1日1500円プラス消費税で計算すると、1年半の消費税負担の増加分は、2万4570円にもなります。1万円の2・5倍近くの負担増です。1万円では消費税増税の増加分はとてもまかなえません。その上、支給対象者は住民税非課税の人に限定しています。加算金は、昨年10月から3年かけて削減される年金・手当の受給者が対象です。
この給付金支給について「スズメの涙金で消費税増税と年金などの減額を押し付けるものだ」との批判が出されています。政府がやるべきことは、消費税増税と年金などの削減の中止しかありません。
(2014年4月6日号「守る新聞」) |