6月、国民健康保険税(料)などの今年度の「通知」が届く時期です。各地の生活と健康を守る会は国保税(料)などの負担をはね返す減免運動に取り組みます。全生連は、6月13日、この運動を全国に広げるために、「国保運動全国学習交流会」を開きました。岐阜市の運動と合わせて紹介します。(辻 清二記者)
6・13全生連主催の
全国学習交流会で元気に
「全国学習交流集会」には、北は北海道から、南は鹿児島まで、全国から88人が参加し、熱心に学習と交流を行いました。
特別報告に立った全生連の辻清二副会長は、全生連が4月に発表した「国保税(料)の値下げ、国民健康保険の広域化反対など制度改善を求める方針」にそって報告。
2つ目の特別報告を大阪の八尾生活と健康を守る会の吉川均事務局長が行いました。吉川氏は、冷蔵庫の処分を求められて母子世帯のガス自殺事件が起き、「再び犠牲者を出してはならない」と生活と健康を守る会を拡大・強化してきたことに触れながら、国保料と一部負担金の減免制度の改悪を許さない取り組みを報告しました。取り組みでは、「改悪しないで」との暮らしの実態を書いた「私のひとこと」を300〜400通提出しました。こうした運動の結果、入院の場合の一部負担金減免の基準を生活保護基準の1・1倍以下に継続させるなどの成果を実現したことが報告されました。
この後、各組織からの取り組みの交流が行われ、最後に安形義弘会長がまとめの報告を行いました。
実態踏まえた活動が重要
集会に参加した埼玉県新座市の鈴木渉さん(67)から、「入会してほぼ1年の私には先輩のお話は全てというほどタメになる話でした。実態を踏まえ活動にしていく重要性を特に感じました。学習が緊急に必要であると痛感し、日々の活動を積み上げ、忍耐強く継続していく大切さも感じました」と感想を寄せられています。
国保料5%引き下げ実現
岐阜市 減免申請と結びさらに
岐阜市は2014(平成26)年度の国保料を一世帯あたり5%、約9200円の引き下げをすることを決めました。長年運動を続けてきて、引き下げは初めての成果です。引き下げの大きな要因となったのは13年度9月末に計画額の5倍近い38億円の基金残高に膨れ上ったことが分かり、このため込みに、市議会の中からも、市民の間からも批判が沸き起こり、今年2月の市長選での現職、新人の候補者の政策として打ち出されました。
生活と健康を守る会も参加する岐阜市国保を良くする会は昨年8月に総会を行いました。この間、市民から寄せられる声を対市交渉の場で取り上げてきました。
「減免で本当に助かる」
「保険料が高くて払えない。保険証を取り上げられ医者にかかれない」など、深刻な相談が寄せられたことにあります。また、国保制度の改善を求めて、毎月第2土曜日に街頭署名を行い、1万人分を目標として取り組み、市議会へ提出してきました。毎年6月20日前後に納付書が送られてくるので、7、8月に集団減免も行っています。提出した人のほとんどが減免を勝ち取るという成果になっています。この中には、2割、5割の法定減免になっている人でも、商売や家庭の状況によって減免されることもあります。「支払いが大変なら減免申請をしよう」が私たちのスタンスです。引き下げになった方からは、「時間を取って申請したが、引き下げになって本当に助かる。もっと大勢の人にこの制度を知らせたい」と話しています。誰でも記入しやすい申請書になっていますので、多くの市民の皆さんに活用してほしいと思っています。国保は社会保障です。今年度は引き下げになるとは言え、まだまだ高い保険料に苦しめられています。さらなる引き下げや、全世帯に正規の保険証の発行を求めて、一層の運動の広がりを強めていきたいと思います。
(森下満寿美通信員)
(2014年6月29日号「守る新聞」) |