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全生連 今年60周年 東京・荒川生活と健康を守る会 経験と感性がタッグ ベテランと若手 車の両輪

 全国生活と健康を守る会連合会の運動は、各地の生活と健康を守る会が1954(昭和29)年に結成されてから2014年11月20日で、60周年を迎えます。安倍政権は、社会保障の削減などを推進し、弱者をいじめ、全生連運動の必要性がますます顕著になっています。今回は、入会して40年の節目を迎えた荒川生活と健康を守る会会長の角光男さん(67)と、2年目になる同事務局次長の山中耕太さん(31)に「会」について語ってもらいました。(西野 武記者)

安心して暮らせる社会へ 角会長

 子どもの保育園入園問題がきっかけで、1974年に「守る会」に入会しました。
 40年間で特に印象深いのは、87年10月に荒川区西尾久在住で井原ふくゑさん(当時78)が、福祉事務所の担当女性にひどい対応をされ、遺書を残して抗議の自殺を図ったことです。一周忌の集会には300人が集まり、月1回区役所前で1日2000枚のビラを配ったり、1か月で140万円の募金を集め一般紙にビラを折り込んだりしました。
 難病を抱えていた原島信子さんが、井原さんの一周忌の集会で発言した内容がテープに残っています。ケースワーカーから「女だから稼げるだろ」「死にたいと言っているが死なないではないか」と。その直後に原因不明の火事で亡くなりました。「守る会」は、二度と繰り返してはいけないと命を守る闘いに全力で取り組みました。
 88年には、会員は200人弱でしたが、現在では1000人を超えるまでになりました。理想は、「会」がなくても安心して暮らせる社会になればと感じます。
 山中君には、ぜひマンネリ化を若い感性で改善してほしいです。失敗を恐れず、最後まで住民目線で、一緒に考えて動くことを大切にしてほしいです。

誰もが参加できる組織に 山中事務局次長

 ちょうど123号通知が出されたころに生まれました。荒川社会保障推進協議会の事務局として「なんでも相談会」などに取り組む中、映画『いのちの山河〜日本の青空II』の上映会を荒川でやろうと実行委員会に参加しました。上映会参加2000人を目標に、「守る会」がけん引役になり500人強を集め、結果2000人を超え大成功でした。一緒に頑張っていた六車光春事務局次長が亡くなったことで入会の決意を固めました。
 若い人の要求を実現するために、例えば「仕事」「住まい(家賃補助)」などのテーマでどのように組織していくかが今後の課題です。都生連の佐々木路生さんや足立区の阿久津豊さんらと青年部を立ち上げる話もあります。
 角会長たちを見ているとスーパースターに見えます。継続と運動量がものすごいから「会」が大きくなったと思います。まねはできませんが私のような、スーパースターではなくても伸びる組織づくりを志したいです。大先輩はみな誰かのために、一生懸命動き、世の中の不条理を許さない熱い思いを持っています。こうした情熱は会員にしっかり伝わっていると思います。深いところでの優しさを自分も持ちたいです。


全生連60周年に寄せて

「会」に関わり出した頃

全国老人福祉問題研究会(老問研)名誉会長日本社会事業大学名誉教授
小川 政亮(まさあき)

 1940年、救護法や母子保護法などより扶助額が高いといわれた軍事扶助法の適用を受けている世帯の調査(私は都の西部)で、いかに生活が苦しいかを涙ながらに、どこでも訴えられた。太平洋戦争勃発、42年に入営して、戦後45年10月に復員、失業、まさに軍事扶助法調査の縁で同胞援護会、次いで日本社会事業協会の日本社会事業学校(後、短大、大学)に就職、社会事業法制の研究。この間、失業者の闘いの中で、旧生活保護法(46年)、次いで生活保護法(50年5月)が新憲法をバックに、憲法25条の健康で文化的な最低限度を法で保障して成立。
 ところが、その1か月後に朝鮮戦争が勃発。多大の犠牲者を出して、53年7月に休戦協定を締結。この間、52年に一方的に、対日平和条約、日米安保条約、陸・海・空自衛隊発足。
 この状況の中で、生活相談全国連絡事務局(後の全生連)が成立。53年11月に早速、生活保護第一集「あなたも生活保護がとれます」を発行(表紙は青色)。
 ちょうどその頃、学生の配属実習先を訪れた時、「ケースワーカーをもう1、2人でも増やしてくれたら、もっと保護の打ち切りができるのに」という当局者の言葉に、深い悲しみと憤りを覚えた。そんなところに前記のパンフを学生が実習先に持って行って、「こんな赤い本を持ってきて」と叱られたと、帰って来て言うので、「赤じゃない。青色だと言ってやればよい」と励ました覚えがある。

(2014年7月13日号「守る新聞」)

 
   
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