今年4月から消費税が8%に増税され、昨年10月に続いて年金・手当が引き下げられました。この増税や引き下げの被害を「緩和」するために、臨時福祉給付金と子育て臨時特例給付金が支給されます。臨時福祉給付金は、住民税非課税の人が対象で1回限りの1万円が支給されます。子育て臨時特例給付金は、児童手当を受給している子どもが対象で同じく1回限りの1万円が支給されます。全国の自治体で2つの給付金の申請・支給へ手続きが始まり、本紙は、給付金をめぐる動きや声を追いました。
全生連、改善を申し入れ
厚労省、1万円の根拠示せず
全国生活と健康を守る会連合会(全生連)は7月14日、「臨時福祉給付金等の改善」を求めて厚生労働省に申し入れました。
主な申し入れ項目は、(1)消費税と年金・手当の削減を中止すること、(2)今年に入って所得が減った人や児童手当が支給された人なども支給対象にすること、(3)支給漏れがないよう、住民への周知徹底し、手続きも簡単にすること、(4)給付金をせめて生活保護で支給されている生活扶助基準の2・9%に相当する4万円程度に大幅に引き上げることです。
この申し入れには、支給対象者の東京都江東区の桧逸夫(えのきいつお)さん(81)、横浜市港南区の細川英子さん(75)、埼玉県川口市の柳田雅久さん(74)も参加しました。
支給手続きが煩雑なことについて、桧さんは「申請に銀行通帳のコピーや免許証など本人証明の提出も求められる。税金の還付請求のように簡単にできるようにしてほしい」と。
柳田さんは「対象者の多くは高齢者が多く、一人暮らしや認知症の人もいる。申請書を見たが難かし過ぎる。もっと簡単にしたり、懇切丁寧に行政として援助すべきだ」と訴えました。
支給金額が1万円であることに根拠を聞かれて、担当者は「来年10月までの食費の増税分に相当するものだが、その根拠となるデータは示すことはできない」と回答。
この回答に対して、細川さんは「消費税増税で生活が厳しくなっている。1回限りではなく、せめて年1回は支給してほしい。1万円の根拠が示されないのは残念」と話しました。
また、臨時福祉給付金では、基礎年金や児童扶養手当、特別障害者手当など受給者には5000円の加算金が支給されますが、来年10月の消費税10%増税に合わせて、「年金生活者支援給付金」として、毎月5000円が支給されることが明らかにされました。
家計簿は怒る
2つの給付金活用を
横浜市港南区在住の中田悦子さんは、長年家計簿をつけて消費税額も計算して記帳しています。
増税前の3月と8%になった4月の家計簿から食料品にしぼって作成すると別表のようになりました。
中田さんの感想をお聞きしました。
家族は4人ですが、食事だけでも4月は2139円の増税になりました。
新聞代も112円の増税、電話、電気、ガス代、水道代、娯楽費すべて8%の消費税ですから、一か月では5000〜6000円ぐらいの増税になっています。
また、介護保険料や後期高齢者保険料も年々上がっていて、現在2人で合計2万9000円余が年金から引かれています。
年金は、毎年削減され、これから先の生活を考えると本当に暗い気持ちになります。
港南区生活と健康を守る会は、少しでも負担を軽くするため2つの給付金の活用を呼び掛けています。
(2014年7月27日号「守る新聞」) |