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今でも劣悪なのに 住環境悪化の恐れ大 厚労省 住宅扶助改悪企む

 生活保護費の本体のみならず合わせて住宅扶助も削ろうと、厚生労働省が躍起になっています。そうでなくても苦しいのに、現状を無視した削減は許せません。生活保護利用者が暮らす賃貸住宅の現実、扶助・加算削減がもたらすもの、国の画策に反対する各界の動きをまとめました。(番匠 寛記者)

老朽化 耐震性に不安 

 老朽化が著しく、「地震が来ると危ない」と大家も耐久性を不安視している岡山市の木造アパート。6畳一間家賃2万4000円の物件で、風呂とトイレは共同です。
 ここで1人暮らしを続ける男性は、不便さと設備の不備による出費増を強いられています。
 とにかく狭く、押し入れにはたんすと冷蔵庫を収納。そのため本来の目的には使用できません。危険ということでコンロは使用不可。カセットコンロを使っていますが、調理には使い勝手がよくありません。食事は外食となり、出費がかさみます。共同の風呂も不便で銭湯へ。隔日入浴としても、月5000円はかかります。

生活一変 新たな苦労が 

 扶助・加算の削減や廃止は利用者の生活を一変させます。これまで通りの生活が不可能になり、新たな苦労を背負うことになります。
 「住んでいた家で暮らしたい」と新潟生存権裁判を闘う長谷川シズエさん(89)。老齢加算が廃止されたため、より節約をせざるを得なくなりました。やむを得ず夏場はクーラー使用を減らし、電気料金を削ることにしました。
 しかし、それは危険と隣り合わせです。健康を害してしまい、1人での生活がままならなくなりました。今は養護老人ホームに入所しています。
 老朽化した賃貸住宅で、隙間からは虫が出入り自由という住まいでした。
 隙間をふさぎ、洗剤を使ってきれいに掃除し、少しでも良い環境にと努めてきました。それだけに愛着はひとしおです。体調を崩した長谷川さんは扶助・加算減らしの被害者です。「廃止されなければ住み続けられた」と訴えています。
 住む権利も踏みにじられている生活保護利用者。住宅扶助が改悪されると、現状より低家賃=より劣悪な住環境を選択せざるを得ません。それによるさまざまな悪影響が予想されます。
 また負のスパイラルを生み出そうというのでしょうか。

実態無視 低すぎる扶助

 さまざまな矛盾を生み出している現在の級地区分。それは住宅扶助も例外ではありません。
 北海道石狩市は札幌市に隣接し、家賃相場は札幌市並み。札幌市までバス30分以内の地域のアパートは5万円台が多数派です。
 それなのに3級地にランクされるため、限度額(1人)は2万4000円。特別基準(2〜6人)でも3万1000円に過ぎません。これではまったく足りません。
 札幌市への通勤圏なのに実態から懸け離れた級地設定で、そうでなくても大変です。この上、扶助が削られるなら、負担は増すばかりです。

暴走にストップ
共同声明を発表

 まるで引き下げを前提としているとしか思えない、厚生労働省の住宅扶助削減の動き。ずさんで拙速な作業を経て、来年度からの実施を狙っているのでしょうか。
 生活保護利用者の実態を精査することなく、公平とは言えない都合のいい数字を用いて、作業部会が非公開の密室で審議。保護世帯が暮らす住宅家賃は一般低所得者のそれより割高、との結論を導き出そうとしています。
 作業は急ピッチ。5月には立て続けに部会が開かれました。生活保護受給世帯の居住実態調査を経て、11月には調査結果取りまとめの予定と言われています。
 実態を無視した厚労省の暴走にストップをかけるべく、生活保護問題対策全国会議と住まいの貧困に取り組むネットワークが共同声明を発表しました。これまでに全国生活と健康を守る会連合会を含む216団体から賛同が寄せられています。

(2014年8月3日号「守る新聞」)

 
   
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