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NHK大型企画開発センター チーフ・プロデューサー 板垣淑子さんが老後の格差拡大の実態語る 「ワーキングプア」から「老後破産」へ 現実見詰め報道し続ける 支援が届く優しい社会に

 9月28日に放映されたNHKスペシャル「老人漂流社会」の3回目は「老後破産」がテーマでした。番組は独居高齢者が年金だけではまともに暮らせない実態を詳細にリポートし、憲法が保障する最低限度の生活を視聴者に問いかけ、大きな話題になりました。今回は、同番組を担当した板垣淑子チーフ・プロデューサーが、取材に協力した秋田県生活と健康を守る会連合会や報道姿勢などについて語っていただいた内容を紹介します。

06年夏に初めて「会」の扉たたく

 わたしが初めて取材で「生活と健康を守る会」の扉をたたいたのは2006年の夏、小泉政権下で構造改革が進められていた頃のことです。
 非正規労働という働き方が広がり、朝から夜までフルタイムで働いても10万円程度の給与しか得られないという人たちが急増していました。
 憲法25条では、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と記されています。この憲法の下で認められている生活保護水準を下回る収入しか得られない人たちが急増していたのです。フルタイムで働いているのに貧困に陥る人は、アメリカやヨーロッパでは、すでに広がっていて、欧米の社会学者は「ワーキングプア」と学術的に呼んでいました。
 それを知った私たちは日本でも「ワーキングプア」が急増していることに警鐘を鳴らしたい、と番組の取材にとりかかったのです。

秋田の鈴木会長が歴史語ってくれた

 秋田の「生活と健康を守る会」で出会った鈴木正和県連会長は、高度経済成長期から現在に至るまでに貧困が拡大してきたこと、生活保護訴訟で闘ってきた歴史を話してくれました。さらに、コメ価格の下落で多くの農家が赤字経営に苦しんでいる、と数人を紹介してくれました。
 稲作の赤字を補填(ほてん)するために漬物を売って生計を立てている谷藤さん夫婦。厳しい生活を送りながらも笑顔を絶やさない2人でした。
 チェーン店の台頭で経営難に陥った仕立屋を営みながら、妻の介護を続けていた鈴木さん。
 奥様を看取った時に「手をつけずにいた貯金で立派な仏壇を買った」と見せてもらいました。その時の穏やかな表情が忘れられません。
 当時の年収は百万円にも届かない金額。
 そして十人の大家族で湯沢市の限界集落で暮らす佐藤さん一家。確かに金銭的な収入は少ないかもしれないが、豊かな大自然に囲まれ、大家族で食卓を囲み、山菜や採れたての野菜が皆を笑顔にする暮らし…“何にも代えがたい豊かさ”にあふれていました。

あれから“8年” 再び「会」を訪問

 それから8年が経った今年、私たちは「老後破産」という新しいテーマで取材をするため再び、「生活と健康を守る会」の扉をたたきました。
 働く世代の貧困が広がり続けているだけでなく、「老後の格差」が急速に拡大している現実を伝える番組の取材のためです。年金収入が生活保護水準を下回る人が激増していて、とりわけ独居高齢者の生活苦は深刻さを増しています。
 秋田県では、農家をしていた時には赤字に苦しみ続けた人たちが、低年金でゆとりのない老後を送っている現実に直面しました。老後格差の拡大は、今後ますます厳しくなっていくとみられています。
 そんな時代だからこそ、現実から目を背けずに報道し続けたいと思っています。いつか、支えを必要とする全ての人に支援が行き届くような優しい社会が実現する日まで――。

(2014年11月2日号「守る新聞」)

 
   
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