新潟市の「国保を良くする会」は、2年に1回の国民健康保険料見直し時期に、「国保料を上げるな」と闘ってきました。昨年は滞納世帯が増え、厳しい取り立てが横行する下で、「上げるな」では生活は良くならない。払える保険料にするには「国保料を下げろ」の要求を掲げることが重要だと運動を発展させてきました。生活と健康を守る会新潟市連絡会は「国民健康保険料国庫負担引き上げの意見書採択」請願を9月議会に提出。10月7日の本会議では、全会派(8会派)賛成で意見書提出が議会採択されました。(井浦 正通信員)
「国保料下げろ」の運動は、国保料の滞納世帯が2013年度は22・3%となり、政令市である新潟市は市県民税や国保料滞納世帯に対し、債権管理課を設置して「一括で払え」「年金担保で借りて払え」など、納入相談して分納している世帯にまで、差し押さえをちらつかせてサラ金まがいの取り立てを行っている中での運動でした。
国庫負担は55・8%(1983年)から22・25%(2012年)に半減
新潟生活と健康を守る会では、6月の国保運動全国交流集会での教訓を学び、「全国の隅々から国庫負担引き上げの意見書をあげよう」の呼び掛けを具体化することと、国保制度と減免制度の学習を市社保協に提案し8月に「学習会」を全市的に開く事ができました。社保協と連携しながらも守る会独自の運動が必要として、新潟市連絡会(市内4守る会で構成)で討議を重ね「国民健康保険料の国庫負担引き上げの意見書採択」請願を9月議会に提出しました。
請願したからには採択してもらうために全力を挙げようと決めて、紹介議員要請(会派要請)を9月9日と9月16日の2回行い、共産党5人、市民連合1人、無所属3人、合計9人が紹介議員要請に応えてくれました。
また、審議する市民厚生常任委員会の14人の議員全員に手紙で採択要請を行い、10月1日の常任委員会審査で秋葉区守る会・南益久会長が採択を求めて趣旨説明をし、世帯収入に占める国保料の高い実態を示し、「その大きな原因が1983年には55・8%あった国庫負担が、2012年には22・25%に下げられ半分以下になったことによる」と強調しました。常任委員会では、委員長を除いて13人の委員全員の賛成で採択されました。
県連は全ての単組が12月議会請願を計画
10月7日の本会議では、議長を除く全会派(8会派)一致で意見書提出が採択されました。県連では新潟の教訓を学び12月議会に全ての単組が議会請願(陳情)を行うことにしています。
会員からは、「委員会、本会議どちらも全会一致とは今までにないことで、とにかくうれしい。国保料が高過ぎる認識が市会議員にも共通認識になった。議員だけではできないこと。守る会が請願を出し、会派要請など頑張ったことで議会を動かすことができた。全国の自治体で採択が進めば国を動かすことができる」など多くの喜びの声が上がりました。
「広域化で負担上がる市町村が必ず生じるという問題もある」
新潟県知事・泉田裕彦氏
「広域化(国民健康保険の運営を都道府県化すること)支援方針」を都道府県で唯一作成しなかった新潟県知事・泉田裕彦氏は、県議会の答弁で「広域化で(中略)保険料負担が上がる市町村が必ず生じるという問題もある」としました。
(2014年11月9日号「守る新聞」) |