灯油価格の高値が続いています。暖房用に心配なく使える価格帯ではなく、低所得者を直撃し、冬をとりわけ寒いものにしています。そういう状況の中、今年度補正予算の自治体交付金のうち2500億円が灯油購入費助成を含む生活支援に充てられることになりました。生活と健康を守る会の福祉灯油を求める、継続的で粘り強い取り組みが政府を動かしました。
内閣府に要望書
衆議院議員へも
依然として高水準で、エレベーターのない集合住宅では階が上がるごとに配達料が加算される灯油価格。それが暖房の切り詰めなど冬の生活をより厳しくつらいものにしています。低所得者にとっては死活問題で、福祉灯油の速やかな実施を求めて、全国生活と健康を守る会連合会と各地の生活と健康を守る会は、取り組みを強化しています。
全国生活と健康を守る会連合会は12月26日、長野や新潟など寒冷地からの参加を含む20人で、内閣府に「福祉灯油制度などへの助成を求める要望書」を提出しました。提出後には衆議院議員への要請を行いました。
提出に先立つ打ち合わせ集会には衆議院議員の高橋千鶴子さんと畠山和也さん(いずれも日本共産党)も参加。それぞれから激励のあいさつがありました。
提出の席では参加者が次のように切実な実情を述べました。
「老朽化した家屋に住む人は特に寒さが深刻。室内でもジャンパーを着るなど厚着している」「購入費助成が行われた2007〜2008年と比べ、灯油価格は1・5倍になっている」「エレベーターのない公営住宅の2階以上に暮らす高齢者は、配達料加算による負担増に苦しんでいる」「生活保護の冬季加算は3000円。灯油2缶分にも足りない。購入費助成は不可欠だ」
議員要請は3班に分かれました。新潟県選出、長野県選出、日本共産党所属を中心とした40人に要請しました。
直接、対面できたのは「維新の会」の議員1人のみ。「よく検討したい」との言葉が返ってきました。残りは秘書の対応でした。
各地で自治体交渉
取り組みより強化
生活支援交付金の使途は、地方自治体の裁量に任されています。政府が決めるわけではありません。従って、福祉灯油を実現するには自治体への要請が欠かせません。各地の生活と健康を守る会では、要望書提出など自治体交渉が始まっています。
07年以降、福祉灯油支給を粘り強く求め続けてきた新潟県生活と健康を守る会連合会。12月31日には、県下の生活と健康を守る会に速やかに自治体と交渉するよう文書を送付しました。それを受けて、年明けから要援護世帯に1万円の助成を要求する活動が加速しています。
新発田生活と健康を守る会は1月8日、新発田市に要望書を提出しました。
熊本では1月8日に、熊本県生活と健康を守る会連合会が県に、熊本市生活と健康を守る会が熊本市に、「要援護世帯への灯油購入費助成に関する要望書」を提出しました。1世帯1万円の助成を求めています。
県では「福祉関係担当課などにも伝える」という返答がありました。
(2015年1月25日号「守る新聞」) |