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千葉県営住宅追い出し母子心中事件現地調査団 家賃減免で救えた命

 千葉県銚子市の県営住宅で昨年9月、家賃滞納を理由に住宅明け渡しの強制執行日に、母親が中学2年生の娘の命を奪い自分も死のうとした事件(無理心中未遂事件)が起こりました(一部既報)。これを受けて、全国生活と健康を守る会連合会や中央社会保障推進協議会、自由法曹団、住まいの貧困に取り組むネットワークでつくる「千葉県銚子市・県営住宅追い出し母子心中事件現地調査団」(団長・井上英夫生存権裁判を支援する全国連絡会会長・金沢大学名誉教授)が1月19日、千葉県と銚子市の2班に分かれて、県営住宅の家賃減免制度の県民への周知徹底などを55人の参加で要請しました。(妹尾七重通信員、西野武記者)

「待ちの姿勢改め周知を」

千葉県へ

 千葉班(県庁)の申し入れでは、あらかじめ提出しておいた要望書(案)に、県側から住宅課、福祉課の4人が出席して回答しました。
 県営住宅入居者への家賃減免制度の周知徹底について、「入居時説明会、ホームページなどで紹介しているが、新たに別の資料として同封する」と回答。これに対し調査団は「待ちの姿勢だ。積極的に十分な周知に努めるべき」と要望しました。
 家賃滞納者へ制度を丁寧に説明することについて、「滞納4か月ぐらいでの初期段階で説明する。同意があれば各市町村の福祉課へ連絡して対応する」と答え、「4か月では遅い。1〜2か月で対応すべき」と追及。
 明け渡し訴訟は、安易に提訴しないについては、「必ず対面で、直接会って確認するように13人の徴収員に指導している」と述べ、「徴収員は嘱託で、回収が目的。減免制度を勧められる職員を増やして、当たらせるようにするのが妥当」と迫りました。
 その他、千葉県によると県営住宅入居世帯1万7878世帯(2013年度末)のうち、減免対象世帯が1万1616世帯(13年度収入申告)あり、これは入居世帯の65%に当たります。そのうち減免実施世帯は1961世帯(14年3月末)で、減免対象世帯のわずか17%にしかすぎませんでした(別図)。
 調査団は「減免制度の周知は、この数字を見ても県が消極的なのは明白だと」追及しました。

「市民への責任を果たせ」

銚子市へ

 銚子班には、銚子市の保険年金課、社会福祉課、都市整備課の各課長および職員が対応。「千葉県銚子市・県営住宅追い出し母子心中事件現地調査団」の井上英夫団長が、「要望書(案)を提出するが、本日の行動を踏まえ再度要望書を提出する」と述べました。
 保険年金課は、「4月5日、滞納の分納を約束し短期保険証を発行。就学援助について、小学校でも受けていたので中学でも受けたいと言っていた。生活保護を勧めるとそのまま、社会福祉課に行った」と説明。社会福祉課は、「面接記録は未聴取が多い。勤労収入も家賃の滞納も聞いていない。面接には新人と経験者が対応。当時のことを聞いても『覚えていない』という」…なんとずさんな生活保護行政か。
 井上団長は、「安易な面接は改善すべきだが、申請もさせず、あれこれ聞くという水際作戦はやめる」「県や他と連携と言うが、市民に責任を果たすことが重要」「正規の公務員で、有資格者の職員を増やすこと。これを国や県に意見を上げてほしい」と要求しました。事件の全容解明と法的責任の所在を明らかにする必要があります。

「命が軽んじられている」

報告集会

 銚子班、千葉班が合流して行われた報告集会で、井上団長は「命が軽んじられ、人が亡くなっている深刻さが薄くなっている。行政の責任を再発防止のためにも追及していかなければ」と語りました。
 全生連安形義弘会長は「千葉・銚子だけの問題ではない。自治体が最低限度の生活保障の役割を果たしていない。今の公営住宅政策は建てない・取り立てる・追い出すだ。こんな中で国は生活扶助を下げた。水際作戦がこうした面接記録すら執らせないやり方を生み出した」と語気を強めました。

(2015年2月1日号「守る新聞」)

 
   
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