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生存権裁判 生活保護の大運動の発展に決意新た 最高裁不当決定に抗議集会

 1月下旬、最高裁にかかっていた生存権裁判(新潟、秋田、広島)に、「不当決定」が出されました。審理もなく門前払いというべき結果に対して、1月30日、雪から雨に変わった寒空の下、約40人が最高裁前で抗議の声を上げ宣伝をしました。

 「老齢加算の1万5000円があったなら、最後まで住み慣れた家で過ごすことができたのに」―。新潟生存権裁判を支える会・吉田松雄事務局長が、抗議集会に集まった人々や最高裁に向かって、昨年死亡した原告・長谷川シズエさんの思いを語り掛けました。長谷川さんは熱中症で体調を崩し老人施設に入ることに。「加算があればエアコンを買い電気代を払い、体調管理ができたはず」と悔しい思いをしていたことを、訴えました。
 宣伝後の集会には36人が参加。集会では新潟、広島、宮城(青森の代理)の代表が発言。
 医労連、中央社保協、全生連などの中央団体、東京、神奈川の代表が、活動を報告。また日本共産党田村智子参議院議員が激励のあいさつを行いました。
 新潟と広島の支援者からは「老齢加算の闘いによって、支援の輪の広がりが生まれた。裁判には労働組合をはじめ当事者ではない方々が、わが事として共に闘ってきてくれた。私たちはその広がりを受け継ぎ、生活保護の大運動へと発展させていかなければならない」と、決意を固め合いました。

5月、大規模な基準引き下げ裁判で反撃 秋田

 秋田県生活と健康を守る会連合会の鈴木正和会長は、「今回の決定はまったく不当なものでとても許せるものではない。今年5月に予定している生活保護基準の引き下げに対する大規模な裁判でしっかりと反撃していきたい」と話しています。

新潟・広島・秋田の生存権裁判に関する最高裁決定について
弁護士 新井章

 最高裁判所は今年に入って、1月19日には広島・新潟の生存権裁判事件について、また、同月21日には秋田の生存権裁判事件について、いずれも上告人(一審原告)に対し「上告棄却」の決定を通知してきました(前者は第1、後者は第2小法廷)。
 この3件の「決定」の理由は、3件とも全くの同文であり、上告人らの「上告の理由は、憲法25条違反の違憲をいうが、その実質は、事実誤認又は単なる法令違反(生活保護法違反)を主張するものであって」「明らかに民訴法312条に規定する事由(判決に憲法の違反があることを理由とするとき)には該当しない」とするもので、上告人側弁護団が熱誠をこめて作成・提出した数百頁に及ぶ上告理由書等には目もくれぬ、非情・非礼で無責任きわまる決定でありました。
 この段階で、裁判所がこのように“木で鼻をくくった”ような「決定」を下したのは、これに先立つ昨年10月の京都・福岡(第2次)事件の両判決等を参照して、裁判所側の考えを汲(く)みとってほしいということだったのかもしれませんが、それぞれの裁判事件にはそれぞれの原告たちがおり、高齢の身を押して厳しい生活環境の中から最高裁まで10年に及ぶ裁判闘争を闘い続けてこられたのですから、そのことを思えば、裁判所としては審理を尽くして老齢加算廃止措置の非人間性と違憲性を判決で裁断し、原告たちの願いに応える以外になかったはずだと思います。
 私たちは裁判所側のこのような不当な態度を厳しく批判し、高齢者国民に「健康で文化的な生活」が実現される日まで頑張り続けることを誓い合いましょう。

最高裁の司法の職責放棄
広島生活保護裁判原告団長 加藤清司

 老齢加算の廃止は「憲法25条」に対し憲法違反であると広島地裁に2005(平成17)年12月に提訴して今日まで9年間に、地裁、高裁で2度の判決を受けました。
 私たち原告は当初32人でしたが13人の方が志を半ばにして死亡し、最高裁に上告したのは9人です。その最高裁が上告の理由は「憲法25条」違反に該当しないとした門前払いの決定をしました。人権の頼りどころと思っていた最高裁が司法の職責放棄としか思えません。私たちはこの不当性を広く世論に訴えていく覚悟です。さらに広島での生活保護基準引き下げに対する裁判の原告として勝利するまで闘います。

(2015年2月15日号「守る新聞」)

 
   
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