税申告の季節がやってきました。税金の重い負担を少しでも軽減するために、申告する権利を活用しましょう。所得と税額は国保税(料)をはじめとする各種負担と各種制度の基準になります。「年金400万円未満の人は、申告は不要です」と宣伝されていますが、申告によって税額が軽減されるケースも少なくありません。また、生活保護を受給している人でも、他の制度を利用する場合に非課税証明書が必要となる場合があります。そのためにも非課税申告や所得ゼロ申告、住民税申告が大切です。全国から税運動の便りが届いています。大分、秋田・能代を紹介します。
全生連パンフレットで税の基本を正しく学習
大分
大分生活と健康を守る会は1月24日、理事を中心に、税の学習会を行いました。理事が今年の税運動を正しく理解し、班や地域に出かけて税運動を積極的に推進するためでした。まず、税の基本を学ぶために、全国生活と健康を守る会連合会(全生連)の税方針、パンフレットを読み合わせ討議しました。
参加者から「税とは何か、応能負担の原則、税の申告は自主計算・自主申告が国民の権利など税金の集め方、申告の大切さがよく分かった」「大企業や大資産家の減税ではなく、応分の負担を求めるべきだ」「消費税は福祉のためではなく大企業の減税の穴埋め、軍事費に充てられていることがよく理解できた」「消費税増税反対の宣伝と署名活動をもっと強めよう」「400万円以下の年金生活者も生活保護世帯の人も、非課税の人も住民税の申告をすることの大切さがよく分かった」などの意見がたくさん出され、楽しく学ぶことができたと好評でした。このパンフレットを使って、班や地域で学習会を開こうと話し合いました。
(藤澤架住通信員)
班会重視で互いに学ぶ
生活保護利用者が主役
秋田 能代
秋田県・能代生活と健康を守る会で、生活保護利用者が自主申告運動の「主役」として登場してきたのは2005年度頃からで、小泉「改革」の下で、老齢加算や母子加算の廃止・削減をはじめとする年金・介護・医療の保険料の値上げと給付減が襲いかかってきた時期でした。税申告は1年に1回、自分の収入の加減を確認し、制度改悪の影響がどのようなものか、また「基礎控除」なるものの性質、それと比較して世に言う大富豪・大企業の利益優遇がいかなるものかを顧(かえり)みる節目なのです。
それまで運動の「脇役」だった生活保護利用者たちが、むしろ「主役」として、全体を引っ張る役割を果たしたのです。それは班会を重視し、会員同士が互いに教え合いながら申告書を自分で書きあげることでもありました。
会員からは、「わずかの保護費を削るなんて、年寄りはカネがないと死ぬんだよ」という声が上がる昨今です。
毎週のニュースでそうした声や税パンフ学習を取り上げて「みんなの声」になるようにしています。
(松山正一さん)
(2015年2月22日号「守る新聞」) |