「新基地の建設絶対反対」「辺野古の海はみんなのもの、やめるまで頑張るぞ」―。沖縄県名護市辺野古の米海兵隊基地キャンプ・シュワブゲート前で2月22日、「止めよう辺野古新基地建設! 国の横暴・工事強行に抗議する県民集会」(同実行委員会主催)が開かれ、県内外から集まった約5000人が怒りの声を上げました。沖縄県生活と健康を守る会連合会もマイクロバスを貸し切り、会員ら18人が集会に参加しました。(西野 武記者)
美しい海にそぐわないクレーン船とフェンス
沖縄県生活と健康を守る会連合会は、午前10時に那覇市内を出発。マイクロバスに会員や知人ら18人が乗り込み、島袋朝一事務局長の運転で一路名護市へ向かいました。
移動中、仲西常雄会長が「ボーリング調査が終わるといよいよ本格的な工事に入ります。今が山場です。基地ができるとさらに安全が脅かされることになります」とあいさつ。続いて沖縄の住民と基地との70年間に及ぶ闘いを分かりやすく解説しました。
約2時間かけて、辺野古新基地予定地の大浦湾が一望できる名護市安部(あぶ)の丘に到着、湾の向かい側から現地を視察しました。エメラルドグリーンの海・美しい海岸線にそぐわない、工事用巨大クレーン船や、オイルフェンスが張り巡らされ、沖には、大型巡視船が何艘(なんそう)も停泊していました。目を凝らして見ていた会員らは奥歯をかみしめて「思った以上に、フェンスが長い。きれいな海なのに…。現地が見られてよかった」と話しました。移動中、沖縄平和運動センターの山城博治議長ら2人が米兵に不当拘束(その後名護署に移送され、翌23日に釈放)されたニュースが入り緊張が走りました。
午後1時に集会が行われるキャンプ・シュワブゲート前に到着、国道を挟んで、両歩道に押し寄せた人の波にもまれながら参加しました。
権力に対抗できるのは唯一、市民、県民の団結
急きょつくられた特設会場には、衆議院議員の照屋寛徳氏、赤嶺政賢氏、玉城デニー氏、仲里利信氏、参議院議員の糸数慶子氏、吉田忠智氏、小池晃氏、名護市長の稲嶺進氏らが駆け付け、「2人の解放を即時に求める」「民意に沿った基地建設中止をすぐに求める」と異口同音に訴えました。
稲嶺市長は「ゲート前の左右の鉄条網が今の沖縄を象徴しています。こうした中での生活を私たちは70年間強いられてきました。これ以上の基地はダメです。昨年の県知事選と、衆院選の結果では、基地反対の民意が示されました。強い権力に対抗できるのは、唯一、われわれ市民、県民の団結です。引き続き日米両政府に突き付けていきましょう」と力を込めると、会場は大きく沸きました。
集会後、参加した会員の諸見川(もろみがわ)雅文さん(62)は「今まで不当拘束はなかった。基地の返還どころかさらに増えている。断固阻止したい」とそれぞれ、怒りを口にしました。
(2015年3月15日号「守る新聞」) |