2015年度が始まり、介護保険制度が大きく変わります。(1)第6期の介護保険料が全国的に大幅に値上がりしています。そして、(2)要支援1、2の人たちのサービスが保険対象から外され、(3)特別養護老人ホームの入所対象者が要介護3以上の人に限定されるなど、サービスの切り捨てがされようとしています。横浜市港南区の介護認定申請をしたばかりの人たちを訪ね、暮らしぶりや介護サービスなどについて話を伺いました。
(辻 清二記者)
訪ねたのは、横浜市港南区の野庭市営住宅。団地ができて40年も経過し、一人暮らしのお年寄りが多くなり、そんな中で生活と健康を守る会の班が3つあり活動しています。
開口一番、「温泉を活用した入浴サービスが受けられなくなる?」と話すのは金子松江さん(81)。
介護報酬の引き下げによる被害が起きようとしています。金子さんは、一人暮らしで要支援2の認定を受け、緊急通報システム(安心ペンダント)を利用しています。長年にわたって必至に働いてきましたが、15年前に借金の返済にいきづまり、自己破産をして今は生活保護を受けて生活しています。
4人で一緒に介護認定の申請
橋本静枝さん(76)は、ご主人が一昨年亡くなり、一人暮らしです。足が痛くて生活にも不自由で、同じ団地の人3人と一緒に介護認定の申請をしました。まだ、申請の結果は出ていませんが、「要支援」になるのではと思っています。
細川英子さん(76)も、一緒に認定申請を行い、要支援2になりました。20年近く右足のヒザ関節痛に苦しみ、さっそく自宅に手すりをつけてもらう予定です。
横浜市は、第6期の介護保険料を大幅に値上げし、値上げ率では全国でも最高クラスです(表参照)。
要支援の人たちのホームヘルプサービスなどの市町村事業への移行は2017(平成29)年3月末まで延期されます。特別養護老人ホームの入所待機者は5000人もいます。
「介護保険料の減免申請をしたい」
介護保険料の値上げについて、細川さんは「年金月10万円と働いた収入約3万円で、市県民税は非課税なのに、月4800円の介護保険料は高い。貯金を取り崩して生活している。保険料の減免申請をしたい」、また「消費税は福祉のためと言うが、全然そうはなっていない」と怒ります。
「会は友達ができていい」
これからの生活や生活と健康を守る会のことについて話を向けると、細川さんは「先のことはくよくよ考えないこと」と、金子さんは「生活と健康を守る会は友達ができるし、助けてもらえるのでいい」とそれぞれ口にしました。
橋本さんは、一昨年8月からの生活保護の基準引き下げに対する違憲訴訟の原告で頑張ります。
(2015年4月12日号「守る新聞」) |