東京・町田生活と健康を守る会は、2011年秋に「町田生活と健康を守る会子ども勉強会」を開設しました。町田守る会の副会長三溝(さみぞ)裕子さん(77)が「子どもが学べる環境は、家庭の経済事情に影響されることなく、だれもが格差なく受けられることが大切」という強い思いで、周りに呼び掛けスタート。「子ども勉強会」には、小学生から受験を控えた中学生まで、月2回団地の集会場に集まります。「勉強会」を取材しました。
(西野 武記者)
三溝さんが所属する町田守る会は1999年に結成され、38人でスタートしました。三溝さんは、「会」の設立にも関わってきました。
都営住宅入居で会員増
「会」は金森地区で発足、その後、山崎・町田木曽団地に班ができて現在では会員240世帯に増えています。
三溝さんは、山崎団地で、UR(都市再生機構の住宅=旧公団住宅)から都営住宅へ移りたいという要求実現の運動を続け、会員を増やしてきました。元全生連副会長で元都生連会長だった故須山利夫さんが応援に駆け付け、現在町田の守る会事務局長である亀山茂雄さんを会員に口説き、木曽団地にも班ができました。
要求から無料塾を実現
山崎では発足の秋から「なんでも相談会」をスタート。多い時は30人を超える人が足を運ぶと言います。
三溝さんは、相談を受ける中で、(1)塾はお金が高く無料塾の要求が大きかったこと、(2)「会」の若い後継者がほしかったこと―から無料塾「守る会子ども勉強会」を立ち上げることにしました。スタート時は子ども2人でしたが、4年がたった現在では、25人が在籍、常時10人が教室に顔を出しています。創設2年目には、町田市の助成金を獲得し、講師への謝礼、会場費などを生み出しました。元小学校の先生の白石春代さんは「学校と違って緩やかな環境の中で、みんなのびのび勉強しています」、同じく西田恵美子さんは「異なる学年同士の交流がここでは魅力です」と語ります。
目を輝かせ生き生き
会員・井本美千代さんの長男の瑞樹君(5年生)も元気な生徒の一人です。「ここに来るとみんなと会えるし、宿題も終わるから楽しい」と話しました。
参加している子どもたちは目を輝かせ、一生懸命に宿題などに取り組んでいました。休憩時間には、「会」が用意した、おやつを口にして、友達と遊びます。
勉強で分からないところは、先生にすぐに質問。一人で自宅でやっていてはこうはいきません。どの子も生き生きとしていました。
「自立した子どもに」町田守る会・三溝裕子副会長
「守る会子ども勉強会」は子どもが自発的に学んだり、遊んだりするのを目的にしています。自立した子どもが育ってくれることを強く願っています。たとえ私塾に行っても勉強を「やらされている」という子どもが多いのではないでしょうか。私自身、若い頃、自治会の役員や幼児教育にも携わってきました。子どもの成長と共に親も一緒に、『会』に入って成長してほしいと思います。後継者をつくって、「勉強会」も「会」も発展することを望んでいます。
(2015年4月26日号「守る新聞」) |