憲法で定められた生存権を真っ向から否定する生活保護基準の引き下げ。これに対する反対・疑問の声が日増しに高まり、各地で裁判闘争が行われています。2014年2月の佐賀を皮切りに訴訟はすでに20件となり、予定の3件を含めると、生活と健康を守る会会員を中心とする原告は800人近い数に上ります。全国に闘いと支援の輪が広がっています。
次々と支援組織
岡山 4月15日に結成
4月15日、岡山市内で生活保護裁判をささえる会の結成総会が開かれました。原告団、弁護団の他、支援者ら65人が参加しました。生存権裁判を含む支援組織は全国で30組織になりました。
結成総会では会の名称を「『人間らしく生きたい! 人間裁判』岡山ささえる会」とすることや宣伝・学習会、裁判傍聴などの当面の行動が提起されました。
準備会を代表して大西幸一代表委員が原告団が42人となったこと、第1回期日(口頭弁論)が5月27日に開かれることなどを報告しました。
続いて井上英夫生存権裁判を支援する全国連絡会会長(金沢大学名誉教授)が記念講演し、次のように語りました。
「戦後の人権保障理論の大きな進歩によって、世界の人権保障の理論は、働けなくても、義務を果たせなくなっても人間らしい生活を保障しなければならない、というところまで到達している。それに比べると日本の考え方はまだまだ大きく遅れている。裁判を通じて、世界の人権保障の考え方を広げていこう」
続いて2人の原告が決意表明しました。
原告2人が意見陳述
大阪 第1回期日
大阪の違憲訴訟の第1回期日が4月17日、大阪地裁でありました。原告を代表して2人が意見陳述しました(1人は寝屋川生活と健康を守る会会員)。傍聴は抽選で、選に漏れた人たちは別室でミニ学習会を開きました。生活と健康を守る会会員ら180人が開廷前の朝の宣伝、傍聴、報告集会と終日、活動を繰り広げました。
弁護団は貧困の拡大と社会保障が拡大している現状、生活保護バッシングには根拠がないこと、引き下げの根拠とした物価下落は偽装であることなどを丁寧に説明。「保護基準引き下げは全く理由にならないでたらめなもので、憲法違反」(和田信也弁護士)と訴状要旨を陳述しました。
次回は7月6日に行われます。
(秋吉澄子さん、小林十三夫通信員)
(2015年5月17日号「守る新聞」) |