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全生連、厚労省国交省と交渉 「弱者に住まいの保障を」 川崎の簡易宿泊所火災の問題追及

 神奈川県川崎市で簡易宿泊所2棟が全焼し、死者10人、負傷者18人(5月27日現在)を出した問題で、全国生活と健康を守る会連合会(全生連)は6月10日、「安心・安全、人間らしい住まいの保障を求める要望書」を国土交通省と厚生労働省に提出、交渉しました。全生連からは、神奈川、埼玉、東京など約20人が参加、同様の事件が二度と起こらない対策の徹底を訴えました。(西野 武記者)

公営住宅の新規建設と住宅扶助引き下げ中止を

 簡易宿泊所は、防火設備や運営方法が不十分で、市には2階建てと申請し、実際は3層の吹き抜け構造となっており、違法建築の疑いも指摘されています。また、一時的な「宿泊所」ではなく、「住まい」として、長年生活していた人も多くいました。
 国や自治体は、公営住宅法1条の「健康で文化的な生活に足る住宅を低所得者に低廉(ていれん)(安い)な家賃で提供」する責任があります。住生活基本計画では、「単身世帯では最低居住面積基準は25平方メートル(約7・5坪、約15畳)以上の住宅を保障すべき」としています。
 事件のあった簡易宿泊所は、2〜3畳で月6万円を取っており、公営住宅法の規定に反する状態でした。また、厚労省は7月から住宅扶助基準を引き下げ、単身世帯の住居面積基準を決め、5平方メートル(約1・5坪、約3畳)以下の住宅さえ定め、今回のような住まいを追認しています。
 こうした事情を踏まえ、全生連は、(1)簡易宿泊所、無料低額宿泊所の全国調査をし、防災などの対策を進めること。(2)簡易宿泊所入居者など住宅困窮者のために公営住宅建設および空き家への入居を国・自治体が責任を持って進めること。(3)新たな住まいを失う人を生み、貧困ビジネスをはびこらせる住宅扶助基準の引き下げは中止すること―の3点の回答を求めました。

簡易宿泊所出られない 転居希望を早く認めて

 これに対し、厚労省と、国土交通省は、(1)現在調査依頼中で、アンケート最終締め切りが8月末なので、結果はもう少し先になる。(2)公営住宅の整備は都道府県や市町村が推進することになる。国は引き続き地方公共団体を支援する。空き屋利用は、国が民間の住宅施設を含めて支援する制度がある。(3)住宅扶助は適正な見直しを7月から行う。貧困ビジネス防止、劣悪な住環境改善などを目的にしている。転居費も特別な理由があれば認める―と回答しました。
 質疑では、「簡易宿泊所に住む生活保護利用者が17年間住み続けている。転居を希望しているがかなえられない。一度も畳は替えられずダニ、ノミが発生。転居は可能か」との問いに、「話の内容では可能。しかし、金銭管理能力、健康・精神状態、単身高齢者、火の始末ができるかなどの個別事情を大家さんがどこまで受け入れるかの判断があると思う」と答えました。
 「現在も川崎では1500人が簡易宿泊所を利用、火災に遭った施設の74人中70人が生活保護利用者だった。市が簡易宿泊所をすぐにあっせんするのはおかしい」と問うと、「あくまでも一時的。川崎市は、ケースワーカーとは別に5人の住居あっせんスタッフを2013年度から配置している」と述べました。「一時的とはどれぐらいを考えているのか」では、「個別の事情でさまざま」と回答するのにとどまりました。
 交渉には、畑野君江、本村伸子両衆議院議員、君嶋ちか子神奈川県議も同席、二度と事件を繰り返さないよう対応を迫りました。

(2015年6月28日号「守る新聞」)

 
   
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