全国生活と健康を守る会連合会(全生連)は9月9日、東京都内で国保・介護全国学習交流集会を開き、台風による大雨の下、全国から23都道府県111人の代表が参加しました。安形義弘全生連会長は「戦争法案阻止と結んで国保・介護の運動を広げよう」と開会あいさつ。三浦誠一全生連副会長(道生連会長)が「国保の都道府県化について」、飛谷幹雄全国理事(大生連副会長)が「国保・介護運動と組織拡大」についてそれぞれ特別報告を行い、その後、各参加者が発言し、活発に交流しました。(辻 清二記者)
辻清二全生連副会長の「国保・介護方針」の報告の後、各地の代表が発言。
「ひどい強制的な滞納処分が行われていたが、マスコミでも問題視され、闘いによって改善させてきた」(静岡県掛川市)。
「29年前国保証がなくて手遅れで死亡した人の無念の思いを胸に、28年間運動を続けてきた」(京都市南区)。
「介護保険料や利用料などを払えば年金がなくなるなどの実態を取り上げ、介護保険料などの減免に取り組んできた」(福島市)。
「国保税(料)の所得に対する負担率が17%にもなり、払いきれない。そういう人たちの実態と要求を取り上げ、会員・読者を増やしたい」(長野県松本市)。
「3人家族で100万円以下の場合、国保が1割減額されるようになった。子どもに均等割(人頭割)をかけないよう運動したい」(熊本市)。
「算定方式を変更して国保が大幅に値上げになった。この値上げに2万4000件もの怒りの問い合わせが殺到。市長の悪政をやめさせたい」(広島市)。
学習し運動頑張りたい
参加者の声
この集会に参加した3人の方に、その思いとこれからの運動の抱負を聞きました。
茨城県取手市の高木君子さんは、「国保は県下で取手市は8番目に高い。値下げさせるために、署名などの運動の学習がしたい」と話しました。
同じく取手市の相楽依久雄さんは、「今の市長は国保を引き上げて7億円以上も貯め込みをしている。引き下げに回すよう運動したい。都道府県化の問題について社保協などと一緒に取り組みたい」と述べました。
高知市の坂上京子さんは、「高知市は中核市で、5番目に国保が高い。国保滞納で年金などの差し押さえもされている。8月に国保の市の担当者とも懇談しており、運動の具体化を進めたい」と語りました。
来年に向けて全国で国保税(料)の値下げ運動を
集会のまとめで、吉田松雄全生連副会長(新潟県連事務局長)は、今年度に国は自治体が保険料の軽減に使える保険者支援制度を拡充し、1700億円の補助をスタートしたこと、また国は、自治体の国保会計の一般会計への繰り入れをしてはいけないことを求めています。
そのことから一般会計の繰り入れを縮小させず、保険者支援制度を活用し、全国の自治体で値下げを求める運動を広げることを呼び掛けました。
また、高くて払いきれず「暮らしていけない」実態を明らかにする活動を強め、都道府県化などについての学習、方針の具体化をし運動を広げるよう訴え掛けました。
(2015年9月20日号「守る新聞」) |