「やっと制度が良くなったね。みんなに知らせてどんどん活用してもらおう」と北海道・北見生活と健康を守る会で話題になったのが、市営住宅家賃減免基準の改善問題。暮らしを守る制度とはとても言えなかった基準でしたが、10年越しの取り組みでようやく改善要求が実りました。粘り強く要求していれば、要求が実現できるんだと確信を持ち、早速「何でも相談会」を実施して喜こばれています。(大橋和子さん)
27%は支払い可能と算定
これまでの基準は、生活保護基準に占める住宅扶助額の割合は負担できるだろうと想定した制度でした(北見市は3級地の1で、単身60歳の場合、生活保護基準9万2100円、その内住宅扶助は2万5000円。そこから約27%は支払い可能額として算定)。
つまり、収入の約27%は負担できるだろうというのです。例えば5万円の収入でも27%相当の1万3500円は支払って下さい。1万円収入でも2700円は払ってくださいというのです。
どうして生活保護基準以下の人に支払い能力があるというのか、前代未聞の基準でした。
03年、北見市に「会」を再建
2003年1月、北見市に生活と健康を守る会を再建し、毎月生活相談会を実施しようと決めました。そのためにも市の役立つ制度を学習しようと言うことになり、道生連から講師を派遣してもらい学習会を行いました。そこで住宅家賃減免制度が問題となり、「このままの基準では役にたたないので改善しよう」と改善運動が呼び掛けられました。
学習会に参加していた、熊谷裕日本共産党市議が早速市議会で取り上げ、市当局は「検討する」と答弁しました。
しかしなかなか進展しませんでしたが、11年から14年まで毎年本会議で質問し実現を迫りました。14年12月議会でようやく市当局は菊池豪一共産党市議の質問に「見直しを15(平成27)年度予算に反映させる」と回答しました。「やった〜」「粘り強く要求してきたかいがあったね」と万歳を叫びました。
新基準で会員・読者増やす
新基準は、生活保護基準の1・3倍の収入までを対象として1〜4割を減額する内容です。早速「何でも相談会」で活用できる人が現れ、喜ばれ会員・読者につながっています。課題もあります。最大4割の減額なので、家賃が2万円なら1万2000円の支払いです。減額幅を拡大してもっと暮らしを本当に守る減免制度にしようと決意しています。
(2015年11月1日号「守る新聞」) |