日本の民主主義、立憲主義、平和主義にとって大きな岐路となった2015年。年が明けて今年はどんな環境が私たちに立ちはだかるのでしょうか。「戦争法」が成立した昨年9月以降も、国会前では、「廃止」の声を上げ続ける多くの人たち。その最前線となるのは沖縄県名護市の辺野古新基地問題です。沖縄県生活と健康を守る会連合会の会員が12月2日、辺野古にあるキャンプ・シュワブゲート前のテント集会に参加し、厳しい警備の中、ゲート前で元気にデモ行進をして「辺野古基地ストップ」を訴え、シュプレヒコールを上げました。
(西野 武記者)
裁判所前に2000人
辺野古への米軍新基地をめぐり、安倍政権は強引な手法で暴走しています。
2015年12月2日、埋め立て承認を翁長雄志知事が取り消したのは違法として、国が撤回を求めた、「代執行」訴訟の第1回口頭弁論が、福岡高裁那覇支部で開かれました。
裁判所前には、翁長知事を支援する約2000人が集会を開き、多くの報道関係者も詰めかけ、騒然とした熱気に包まれていました。生活と健康を守る会会員も辺野古に向かう途中、集会に参加して知事にエールを送りました。
「知事をしっかり支える」
翁長知事の報告に、時間的理由で残念ながら立ち合うことはできませんでしたが、知事は「政府は、基地の辺野古移設反対の民意にもかかわらず移設を強行している」とし、「争点は承認取り消しの是非だけでなく、日本の地方自治、民主主義、沖縄のみに負担を強いる安保体制は正常か。国民に問いたい」(一部報道から)と毅然と訴えたということでした。次回の弁論は1月8日の予定です。
会員の具志堅一(はじめ)さん(53)は、「翁長知事は頑張ってます。私たち県民もしっかり支えていかなくては」と、力強く語りました。午前中は、スコールのような雨。辺野古でのデモ参加が危ぶまれる中、午後からは、雨も小降りになり、雲の切れ目が見えてきて一安心。一行は、一路辺野古に向けて、裁判所を後にしました。
「平和な辺野古の海を守る!」 沖縄県生連 ゲート前で訴え
会から11人参加
名護市辺野古のキャンプ・シュワブ前のテントに着いたのは12月2日午後2時30分。
テント内集会には、現地の人たちと、大阪から駆け付けた約40人の支援者ら計60人と、生活と健康を守る会から11人の総計70人強が参加しました。
集会では、沖縄県生活と健康を守る会連合会の仲西常雄会長が飛び入りで発言。「会」の紹介をし、「平和と基地は、共存しません。最後まで一緒に闘いましょう」と訴えると、大きな拍手に包まれました。
午前中には、約700人が、テント前に集結したと報告がありました。
警察車両の威圧にひるまず
力強くデモ行進
テント内での集会の後、全員で基地のフェンスに沿ってデモ行進。それぞれが「辺野古新基地NO」「全基地撤去」「県民は屈しない」や、英語で書かれたプラカードを持ち、大きな声で、「基地撤去」を訴えました。
その後、ゲートの前に集結し、厳重な警備の中、会員も「沖縄の海は渡さない」「新基地は必ず止める」「安保を破棄せよ」など声を上げました。
ゲート内に配備された警察車両の拡声器から大音量で、「ただ今時刻は…です。公道には危険なので出ないでください」と、シュプレヒコールを打ち消すように威圧して流されました。
それでも参加者は、ひるまず声を出し続けました。
ゲート前テントを後にして、辺野古海岸にあるテントを訪れ、基地を監視している人から説明を受けました。「安倍首相は、工事をどんどん進めているようなことを既成事実として発表し、反対派があきらめるような行動に出ていますが、実際には、基地内の旧舎や瓦礫などの整備をしているのが現状で、大々的な工事の着工はまだ行われていません」と話しました。
(2016年1月3日・10日合併号「守る新聞」) |